×

なでしこ“澤シフト”ボランチローテ制導入で負担軽減へ

[ 2015年5月26日 05:30 ]

練習場入りするなでしこジャパンの宮間(左)と澤

 6月6日開幕のW杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは25日、香川県丸亀市内で前日に国際親善試合を行ったニュージーランド代表とサブ組同士での練習試合を完全非公開で行った。右足首捻挫で部分離脱が続いていたMF阪口夢穂(27=日テレ)が実戦に加わり、28日のイタリア戦での出場にゴーサイン。大黒柱のMF澤穂希(36=INAC神戸)の力を最大限に引き出すボランチのローテーション制をテストする方向となった。

【なでしこジャパンメンバー 日程&結果】

 タフなW杯を戦い抜く“澤ローテ”を模索する。完全非公開の練習試合を終えた佐々木監督は、右足首捻挫で部分離脱が続いていた阪口が出場したことを明かし「問題ないね。イタリア戦の枠に入っている」と次戦の出場をほのめかした。大黒柱の澤だけでなく川村、宇津木、そして前回の11年ドイツ大会全試合で澤とダブルボランチを組んだ阪口。4人の組み合わせを変え、W杯前ラストマッチで変幻自在の中盤をつくり上げる。

 ベテラン澤の力を最大限生かす、連覇への秘策だ。前日のニュージーランド戦、1年ぶりに代表のピッチに立った澤は前半に決勝点。激しい球際でも格の違いを見せつけたが、フル出場したレジェンドは後半にパフォーマンスが明らかに落ちていた。いくらベストコンディションとはいえ、澤は日本女子の歴代最年長出場を記録した36歳。年齢には抗(あらが)えない。試合後に佐々木監督は「(澤は)後半の中盤以降、疲労感が見られた。前にスペースがあっても展開力が落ちた」と認め「阪口が戻ればローテーションできる」とまで言った。阪口復帰にメドが立ったこの日、「(イタリア戦は)組み合わせを変える」と指揮官の考えは変わらなかった。

 W杯の参加国はカナダ大会から8カ国増え、1次リーグから決勝までの試合数も前回より1戦多い7試合となる。さらに、前回のドイツ大会は陸路での移動だったが、東西に広大な土地のカナダは空路での移動。約1カ月の長丁場で激しい戦いを勝ち抜くために、ローテーション制は試す価値がある。「競争は激しい。簡単には試合に出られない」と阪口が話すように層の厚いなでしこの心臓がボランチだ。28日のイタリア戦は連覇への試金石となる。

続きを表示

2015年5月26日のニュース