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武蔵4得点!ド派手9発大勝でリオ五輪アジア予選へ弾み

[ 2015年3月12日 05:30 ]

ミャンマー戦の前半25分、ヘディングで得点を決めた鈴木(右)

 16年リオデジャネイロ五輪を目指すU―22日本代表は11日、U―22ミャンマー代表と親善試合を行い9―0で大勝した。FW鈴木武蔵(21=新潟)が前半8分の先制ゴールを皮切りに4得点と活躍した。手倉森ジャパンにとって国内初の国際親善試合であるとともに、27日に初戦を迎えるリオ五輪アジア1次予選(マレーシア)への壮行試合。4年前に東日本大震災が起こった日に、日本の若き力が強さを見せた。

 3・11。日本にとって特別な日に行われた一戦でエースが4得点。手倉森ジャパンの力を見せつけた。前半8分、原川のシュートのこぼれ球に鈴木が左足で詰め先制すると、同25分には左サイドからのクロスを頭で2点目。「ヘディングは練習してきていたので(結果が出て)良かった」。同41分にはゴール左の角度の無い位置から狙い澄まして右足でファーサイドネットを揺らし、前半だけでハットトリックを達成。後半6分にも追加点を決めた。

 特別な思いで臨んでいた。試合前にはミーティングで「知られざる英雄」という東日本大震災に関連した映像を見た。児童がお年玉を募金したり、被災地で働く人たちが映っていたという。試合直前には黙とう。当時はまだ群馬県の桐生一に通っていたため、大きな被害は受けなかった鈴木も「たくさんの方々が亡くなった日。今でも手つかずな場所もある。復興のために必死に戦っている人たちに、自分たちができることはサッカーで希望を与えることです」と、心を震わせて臨み、大勝に導いた。

 リオ五輪アジア1次予選に向けても弾みをつけた。同予選で当たる3カ国はいずれも日本より実力的に劣る相手。この日はそのシミュレーションとなったが、相手に合わせずに力を発揮できることを証明した。それでも「個人としてもチームとしてもミスもあった。修正して本番ではもっといいサッカーをしたい」と、慢心はない。

 マレーシア合宿では海外組のヤングボーイズFW久保、ザルツブルクFW南野が合流。定位置争いも激化する。この日は右足、左足、頭で得点を決め万能型ストライカーとしての実力を示した鈴木。「ライバルに負けたくない気持ちはある。レベルが上がってもいろんなバリエーションで得点を取れればいい」。エースの座は譲らない。

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