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「過去最強の湘南になる」を実現したチョウ監督「僕は幸せ者」

[ 2014年9月23日 20:42 ]

<京都・湘南>J1昇格を決め、コーチ陣と抱き合って喜ぶチョウ・キジェ監督(右)

J2第33節 湘南2―2京都

(9月23日 西京極)
 湘南らしい、そして気配りの人で知られるチョウ・キジェ監督(45)らしい光景だった。

 今季9試合を残し、史上最速でのJ1昇格を決めた京都戦。試合後のインタビューを受ける前にアウェーの地へ駆けつけてくれたゴール裏のサポーター席に歩み寄った指揮官は、時間をかけてサポーターの1人1人と握手を交わすと、サポーターをバックにした選手との集合写真に笑顔で収まった。

 そして、選手たちの笑顔が並ぶ輪の中では、韓国で行われている仁川アジア大会に出場していて不在のU―21日本代表DF遠藤航(21)の背番号3がついたユニホームが誇らしげに揺れる。

 「選手は向こう(平塚)に残って応援してくれた選手も含め…真摯(し)に真面目に頑張ってくれたと思っている」と驚異的な強さでJ1復帰を決めたこの1年を振り返ったチョウ監督は、「今年初めてスタメンで出た島村がいいシュートを決めてくれて…」と黒星寸前の後半39分にドロー弾を決めたDF島村毅(29)の名前を出すと数秒絶句。そして、絞り出すように「僕は幸せ者だと思います」と声を震わせた。

 「過去最強の湘南になる」を合言葉にして1年間を戦って来た。豊富な資金はない。ザックジャパンやアギーレジャパンに呼ばれた選手もいない。だが、「まだまだ何も足りない。まだ何も残せていないですけど、ひたむきさとサッカーに対する真剣な気持ちだけは負けちゃいけないと思ってずっとやっている」と指揮官は話す。

 目標通り、過去最強の湘南になるためには、昇格を決めてもまだ足りない。「僕らの目標は優勝なんで、次はホームで勝って決めたいです」。殊勲のゴールを決めた人格者の島村が言い切った。

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2014年9月23日のニュース