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浦和のバンディエラだ!柏木 チーム史上初のゴール量産アシスト

[ 2014年9月13日 19:51 ]

<清水・浦和>柏木のクロスに頭で合わせ、チーム3点目のゴールを決める槙野

J1第23節 浦和4―1清水

(9月13日 エコパ)
 浦和がチーム史上初となる3試合連続4得点を記録した。その攻撃をけん引しているのが柏木だ。3―6―1の2列目に位置しながら流動的に動く。中盤でボールに触ってリズムを変え、相手の隙を突くスルーパスでチャンスを作る。この日は清水の寄せが甘かったため余裕を持ってボールを保持し、柔らかなパスさばきで揺さぶった。後半27分には右CKから左足で正確なクロスを蹴って槙野の頭に合わせて3点目を生み出した。

 今季ここまで22試合出場し、積み上げたアシスト数は「11」に上る。左足のパス、FKは高い精度を誇り、ドリブルもうまい。サッカーセンスの塊。だが日本代表との縁は薄い。国際Aマッチ出場は12年が最後で通算4試合0得点。1学年上の本田(ACミラン)と同じ左利きの指令塔タイプというのも代表での不遇の一因だろう。

 類いまれな才能を国際舞台で見たい思いもあるが、一方で代表での活躍がサッカー選手にとって唯一の勲章ではないことも記しておきたい。

 「そのチームで長く活躍する看板選手」を「バンディエラ」と呼ぶ。イタリア語で「旗頭」を意味する。日本流に言えばチーム名に「ミスター」を付けるような存在だ。

 かつてインテルミラノやマンチェスターCを指揮した前ガラタサライ監督のロベルト・マンチーニ氏もそうだった。82~97年にジェノバに本拠を置くサンプドリアでプレーし、90~91年にセリエA初制覇に導くなど黄金期を築いた「ミスターサンプ」。90年W杯イタリア大会でメンバー入りするなどイタリア代表にも名を連ねたが、際立った実績を残せなかった。それでも、アズーリ(イタリア代表)のスターに劣らぬ人気を誇った。

 柏木は広島の下部組織育ちだが、浦和に移籍して今年で5年目。リーグ戦出場試合数は151を数え、既に広島時代の112を上回っている。今後も赤いユニホームでプレーし、浦和のバンディエラを目指してほしい。足りないのはタイトル。8年ぶりのリーグ優勝に導くことができれば、その地位に近づくことになる。

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2014年9月13日のニュース