３戦連続完封立役者マスケラーノ　指揮官絶賛「傑出した…」

体を張ってアルゼンチンの守備陣をけん引したＤＦマスケラーノ（ＡＰ）

Ｗ杯ブラジル大会準決勝 アルゼンチン０―０（ＰＫ４―２）オランダ

（7月9日 サンパウロ）
　満身創痍（そうい）になっても心は最後まで折れなかった。多才なアタッカーに比べて、頼りなさを再三指摘されてきたアルゼンチンの守備陣だが、強力攻撃陣のオランダ相手に１２０分間無失点で決勝トーナメントは３試合連続の完封劇。サベジャ監督は「マスケラーノはシンボルだ。彼は傑出したプレーヤーだ」と守備の要を称えた。

　ボランチのマスケラーノはロッベンやファンペルシーら、危険なプレーヤーに体を張り対抗。前半にハイボールを相手と競り合った際に頭をぶつけて倒れた。それでもピッチに立ち続けると、後半終了間際にはロッベンのゴール前への進出をスライディングで阻止。時に最終ラインまで下がって守備陣を統率し、攻撃にも参加した３０歳は地元紙に「（スライディングで）ケツの穴が開いて痛かったよ」と語った。

　右サイドバックのサバレタもカイトの肩に顔を強打し、歯を折った。ボランチのビグリアは接触プレーの後に左腕に包帯を巻いてプレー。準々決勝まで５試合で１２得点のオレンジ軍団を封じ切り、男たちは名誉の傷を誇るように笑い合った。