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メッシ 史上初“3世代”世界一へ王手!ドイツ破り新伝説を

[ 2014年7月11日 05:30 ]

決勝進出を決め、ガッツポーズのメッシ(AP)

W杯ブラジル大会準決勝 アルゼンチン0―0(PK4―2)オランダ

(7月9日 サンパウロ)
 主将のFWリオネル・メッシ(27=バルセロナ)を擁するアルゼンチンが、FWディエゴ・マラドーナ(53)が主将を務めた90年イタリア大会以来、24年ぶり5度目の決勝進出を果たした。0―0からのPK戦でGKセルヒオ・ロメロ(27=モナコ)の活躍などで4―2でオランダに勝利。86年メキシコ大会以来28年ぶり3度目の優勝を懸けて、13日(日本時間14日)の決勝でドイツと対戦する。オランダは12日(同13日)に行われるブラジルとの3位決定戦に回った。
【試合結果 決勝T&日程表】

 PK戦で決勝進出が決まった瞬間、メッシはうれし泣きのような表情で走りだした。試合後はドーピング検査に選ばれて1人だけ控室での歓喜の輪に加われなかったが、“尿意待ち”の間にインスタグラム(写真共有アプリ)を投稿。「このチームの一員であることを誇りに思う。決勝進出だ。楽しもう。優勝まであと一歩だ」。喜びの声と笑顔の写真を仲間と世界中のファンに届けた。

 3戦連続で不発に終わっても、主将としてチームをけん引した。常に複数の選手に徹底マークされ、120分でペナルティーエリア内で一度もボールを触れなかった。シュートは前半15分の直接FK1本だけ。それでも延長開始前には円陣中央で声を張り上げチームに気合注入。PK戦では重圧のかかる1人目をきっちり決めて、4人連続成功の流れをつくった。

 勝利をささげたい人たちがいた。1人は7日に88歳で死去したアルゼンチン出身の伝説的なFWディステファノ氏。47年に南米選手権を制した大先輩に試合前に黙とうをささげ、右腕に喪章を巻き闘志を高めた。もう1人は試合当日未明にサンパウロで交通事故のため亡くなったアルゼンチン人記者ホルヘ・ロペスさん。取材を通じて親交があり、試合後インスタグラムで「勝利は友人のロペス氏にささげる」と哀悼メッセージを記した。

 伝説の男に肩を並べ、そして、超えるチャンスだ。マラドーナを擁して決勝で西ドイツを破った86年大会以来の優勝を果たせば、比較され続けてきた主将、10番の先輩と同じ世界タイトルを獲得。「代表ではクラブほど活躍できない」という“呪縛”を消し去ることができる。さらにメッシはFWアグエロ、DFサバレタらとともに05年にU―20W杯、08年に北京五輪を制覇。黄金世代の仲間を率いてW杯を勝ち取れば、サッカー界で初となる“3世代世界制覇”を成し遂げられる。

 ドイツとの決勝戦は、マラドーナを擁した86年、90年以来3度目。今回の下馬評は戦力、日程などを考えるとドイツ有利だが、アルゼンチンにはMFマスケラーノが「一人で違いを生み、試合を決められる」という絶対的エースがいる。母国を3度目の頂点に導き、メッシが新たな伝説を築く。

 ▼05年U―20W杯オランダ大会 アルゼンチンは1次リーグを米国に次ぐ2位突破。決勝トーナメントはコロンビア、スペイン、ブラジルを破り、ナイジェリアとの決勝はメッシの2得点(ともにPK)で2―1で勝利。メッシは6ゴールで得点王とMVPに輝いた。

 ▼08年北京五輪 アルゼンチンは1次リーグでコートジボワールなどを破り、3戦全勝で1位通過。決勝トーナメントはオランダ、ブラジルを撃破し、決勝でナイジェリアを1―0で下して連覇達成。後半13分にメッシのアシストからディマリアが決勝点を挙げた。

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