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【オシム準決勝総括1】黄金カードに失望、リスク冒さなかったメッシ

[ 2014年7月11日 10:15 ]

終始厳しいマークを受けたメッシ(左)(AP)

 アルゼンチンとオランダが対戦したW杯ブラジル大会の準決勝は、スコアレスドローの末に、アルゼンチンがPK戦を制し、13日(日本時間14日午前4時)の決勝に駒を進めた。一方、8日の準決勝ではブラジルがドイツに1―7と記録的な大敗。王手をかけた2チームの勝因、そして、王国ブラジルに何が起きたのか。元日本代表監督の知将イビチャ・オシム氏(73)が分析した。

 【勝負にこだわり消極的だった準決勝第2戦】

 オランダ―アルゼンチン戦は正直、失望した。見るべきところの少ない120分だった。

 マラドーナやフリットが活躍していた80年代なら黄金カードだ。現在でもメッシやロッベン、ファンペルシーら攻撃的プレーヤーがいるのに、どうしたことか。負けたくない気持ちは分かるが、双方ともにリスクを冒さず、まるで「攻めるな」という指示が監督から出ていたかのようだった。

 PK戦の予定を立てていたわけではなかろうが、ボールを取っても前に攻めず、ハーフウエーラインの手前での横パスばかり。裏を返せば両チームのエース、メッシとロッベンがほぼ完璧に抑えられていたことの証拠だった。人数をかけて攻撃せず、双方ともに自陣ゴール近くに6~7人が常駐した。攻撃は単発か、せいぜい3人程度。守備的なアルゼンチン、守備的なオランダなど見たいとは思わない。両チームともにPK戦狙いならば、最初からPK戦にすればよかった。

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