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【粕谷秀樹氏展望】スターリッジら若手に期待、イングランド16強可能

[ 2014年6月13日 09:00 ]

カペッロ前監督とは違い選手に自由を認めたイングランド代表ホジソン監督(AP)

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が開幕した。近年、世代交代の必要が叫ばれるも、若手の台頭が少なく、母国での期待も低いイングランド代表。イングランド・プレミアリーグの解説でおなじみのサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に、イングランド代表の1次リーグにおける展望を聞いた。

 D組の顔ぶれが決まった昨年12月、イングランドは3番手にすぎなかった。ただ、その後の半年で勢力図は変わりつつある。

 ウルグアイは攻守のバランスに優れているものの、練習中に膝を負傷したスアレスの回復が気がかりだ。イタリアは準備試合のパフォーマンスが芳しくなく、1敗6分。前線の核が精神面に不安を抱えるバロテッリであること、ブッフォン、ピルロといった30代半ばのベテランにとって、ブラジルの気候が優しくないことなど、マイナス材料も目につく。

 さて、イングランドである。予選の内容が低調だったために下馬評は3番手だったが、13―14シーズンの中盤戦以降に台頭した若者たちによって、状況は好転した。

 プレミアリーグで21得点を挙げたスターリッジ、疲れ知らずのヘンダーソンはともに20代前半で、変幻自在のドリブルで高評価を得たスターリングはまだ18歳。予選では控え、あるいは招集外だった彼らがこの半年で急成長し、瞬く間に定位置を確保した。しかも勢いに任せたタイプではなく、丁寧なボールキープが身上。高温多湿のブラジルでも適応力はありそうだ。

 さらに、調味料の成分にまでこだわったカペッロ前監督(現ロシア代表監督)と異なり、ホジソン監督がある程度の自由を認めているため、イングランドは近年にないリラックスムードで大会に臨もうとしている。

 半年前の情報はそろそろアップデートするべきだ。イングランドがベスト16に進出する可能性は十分にある。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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2014年6月13日のニュース