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これからも「東北人魂」で…小笠原、被災地支え続ける

[ 2014年3月11日 06:33 ]

12年6月の復興支援試合後、場内を1周する小笠原(中央)

 11年5月に東北出身および東北に縁のあるプロ選手によって設立された「東北人魂」の発起人の1人となり、復興支援活動を支えてきた鹿島のMF小笠原満男(34)が現在の思いを語った。

 「なかなか思うように復興が進まずもどかしい。向こうに戻るたびに変わらない状況を目にする」。岩手県大船渡市で被害に遭った赤崎小学校跡地の一部を整備して管理。毎月のようにスポーツ教室などを開催してきたからこそ、復興が進まない現状を憂いた。

 ただ、一筋の光が差し込んできたことも実感する。「子供たちが将来を見始めている。震災直後はサッカーをやっている時は楽しそうな顔をするけど、なかなか先を見据えることができなかった。最近は“Jリーガーになりたい”と言ってくれる。それが一番うれしかった」。活動を通して子供の表情が変わってきていることが励みだ。

 今オフに熊本を訪れる機会があった。12年7月の豪雨による土砂崩れ災害の現在を知った。そこでは「今でも困っている人がいた」という。「地元でない人は知らないことの方が多いと気づかされた。だから発信できる人が発信していかないと…」とあらためて震災を風化させないメッセージを届けようと決意した。

 「苦しい中でも頑張っている子供たちの姿を見ている。自分の方が力を頂いている。もっと苦しんでいる人たちがいるから、俺はもっと頑張れると心の中で言い聞かせている」。復興の道のりは遠い。だから、その日が来るまで東北が盛り上がるようなニュースを届けたい。そして、いつか「触れ合った子供たちの中からJリーガーが出てきて自分たちを超えてほしい」と願っている。

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2014年3月11日のニュース