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帝京長岡 執念の同点弾実らずPK戦で涙…

[ 2014年1月1日 05:30 ]

<徳島市立・帝京長岡>PK戦で敗れスタンドの応援団に挨拶する亀井主将(左)ら帝京長岡イレブン

全国高校サッカー選手権1回戦 帝京長岡1―1(PK2―3)徳島市立

(12月31日 等々力)
 帝京長岡は1回戦で徳島市立(徳島)にPK戦の末に敗れた。前半15分に先制されたが、同20分にCKからFW山田貴仁(3年)が同点ゴール。後半は押し気味に試合を進めたが、決定機を生かせずに1―1で80分を終えた。PK戦ではGK亀井照太主将(3年)が1人目を止めたものの、2人が外し、最後は亀井主将が外して2―3。目標の国立は届かなかった。
【試合結果 トーナメント表】

 崩れ落ちはしなかったが、亀井主将はぐったりと体を折り曲げて下を向いた。PK戦5人目。シュートはバーの上を越えた。「夢であってほしい…」と思った非情の瞬間とともに、チームが目指した「全国制覇」の夢も絶たれてしまった。

 前半12分の決定機を柳が決められなかった直後の同15分、守備のミスから先制を許した。だが、5分後に山田が粘って得た右CKを自ら頭で決めて同点。シュート数は相手の6本に対し、15本と倍以上も打ったが、勝ち越し点は取れなかった。

 「調子は良かったけど決めきれなかった」。ロスタイムの決定的な場面を含む6本のシュートを打った山田は振り返る。谷口哲朗前監督は「前に急いでしまって、カウンター一辺倒になってしまった」と言う。チャンスはつくったが、中盤でリズムをつくる本来のサッカーはできなかった。

 高い目標が、逆に焦りになったかもしれない。昨年度、先輩が成し遂げた全国8強を見て、今年のチームは日本一を身近に感じた。誰が言うともなく、目標は「全国制覇」。インターハイ県予選で新潟明訓に敗れた挫折も乗り越え、全国の舞台に戻ってきた。「夏より苦しいことはない」。古沢徹監督の言葉通り、苦しみを自信に変えてこの日を迎えたはずだった。

 練習試合のPK戦は勝つことが多かった。「PKは分がある。焦るな」と亀井主将は最後方で声を出し続けた。「主将として、こういう終わらせ方をして、みんなに申し訳ない」。主将の目には涙の跡が残る。しかし、選手同士の話し合いで決めたPKキッカー。「頑張って負けたのだから、仕方ない」との山田の言葉が、イレブンの気持ちを代弁しているようだった。

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2014年1月1日のニュース