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中沢“痛快”ハット1号!松商17年ぶり勝利導く殊勲弾

[ 2014年1月1日 05:30 ]

<西京・松商学園>ハットトリックを達成した松商学園・中沢

全国高校サッカー選手権1回戦 松商学園4―3西京

(12月31日 駒沢)
 人生初のハットトリックを達成すると、喜びもつかの間。松商学園(長野)FW中沢は両脚がけいれんして倒れ込み、そのまま担架で運ばれてベンチに退いた。

 「気迫でいったので覚えていない。もう1点、もう1点という気持ちだった」。そう振り返ったのは後半34分の自身3点目だ。DF木村からのパスを胸でトラップし、痛む右足を振り抜いた。ダメ押しのチーム4点目が決まった。

 試合開始わずか15分頃から右足がつり始めた。次第に左足も痛んだが、それでもハーフタイムでは高山監督に足がつったことは内緒にした。「前半は何もできなかった。代えられたくなかったから」。流れが変わったのは後半、1―2と西京に勝ち越しを許した直後だ。交代で入ったMF塩沢が右サイドに回り、中沢が右サイドから本来のFWにポジションチェンジ。「ここで退場したら情けない」と気合を入れ直した。するとボールが集まり始めた。「キーパーが前に動いたのが見えた」と後半24分、ループ気味のシュートで同点弾を決めたのを皮切りに10分間で3発。3点目は腕で×印をつくり、交代を要求した直後。気迫のゴールだった。

 チームは17年ぶりに初戦を突破。松商学園に進学を決めたのは、10年の89回大会、初戦で野洲(滋賀)相手に5―5と粘り、PK戦の末に敗れた試合を見て「感動した」からだ。憧れのユニホームを着て、自らのゴールでチームを勝利に導いた。高山監督も「サイドからトップに上がり、泥くささが出た」とねぎらった。次戦の相手は優勝候補の一角、広島皆実。「てんぐにならないようにしていかないと」。両足の太腿、ふくらはぎにアイシングを施しながらヒーローは気を引き締めた。

 ▽中沢 健太(なかざわ・けんた)1995年(平7)9月10日、長野県生まれの18歳。山辺小1年時、「松本東サッカースポーツ少年団」でサッカーを始め、中学では「ASA FUTURO」に所属。3年時に長野県ジュニアユース選手権で優勝。好きな選手は、C大阪の柿谷曜一朗。1メートル69、62キロ。

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