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本田国際Aマッチ20発目で初の右 ミランでさらなる進化を

[ 2013年11月21日 05:30 ]

<ベルギー・日本>後半8分、本田が右足で勝ち越しゴール

国際親善試合 日本3―2ベルギー

(11月19日 ブリュッセル)
 本田がベルギーをぶっつぶした。日本代表は19日(日本時間20日)、FIFAランク5位のベルギーとアウェーで対戦し、3―2で勝った。1―1の後半8分、MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)が国際Aマッチでは敵地で初となるゴールを利き足ではない右足で決めて勝ち越した。ザックジャパンは13年を8勝3分け8敗で終え、14年ぶりの負け越しは回避。チームを引っ張るエースはさらなる進化を目指し、優勝を公言している7カ月後のW杯ブラジル大会に臨む。

 ベルギーサポーターで埋め尽くされたスタンドに、ため息と悲鳴が入り交じった。1―1の後半8分、左サイドの遠藤からゴール正面でパスを受けた本田は右足でトラップ。左足の切り返しでDFをかわすと、右足で勝ち越しゴールを突き刺した。格上相手に試合2日前、「なめてるヤツらを一人一人ぶっつぶしていく」と豪語。それを自らのゴールで実行した。前半37分には右サイドの酒井宏にパスを送って柿谷の同点弾の起点になるなど、常に攻撃の中心に身を置き、勝利に導いた。

 「結果もうれしいですが、2試合とも自分たちのサッカーをやれたといいますか。いいところがいくつか出た。次につながる収穫だったかなと思います」

 16日のオランダ戦から中2日。対するベルギーは中4日だった。コンディションは相手より悪いはずだったが、結果よりも内容にこだわって臨んだ。そして、引いて守ることなく攻めに出て、自らも2戦連発。これまで4度出場したW杯本大会では第1シードから勝利を挙げたことはないが、来年のブラジル大会でシードを獲得している強豪を上回り、胸を張った。

 殻を破った。国際Aマッチ通算20得点目で初めてアウェーで決めた。利き足ではない右足でのゴールも初めて。10月の東欧遠征では右足でのシュート練習も行っていたが、きっちりと成長の跡をしるした。その東欧遠征で敵地2連敗を喫したチームも息を吹き返した。「アウェーで試合をやる重要性は、常々言ってきた。この緊張感の中で2失点目という反省点もありますが、その中で3失点目を許さないというギリギリのサッカーができたことは、良い経験になったと思います」。優勝を目標に掲げるW杯へ向けた“テスト”を最高の形で終えた。

 これで年内の代表活動は終了。99年以来の年間負け越しは免れた。来年は3月の親善試合で活動を再開。そして6月にはW杯本番を迎える。「課題も出た。それを無視することはできない。何が良かったか悪かったかは冷静に分析したい。自分たちが所属クラブに戻って、チームとして、個人としての課題に取り組むことだけ」と言う本田は、一夜明けた20日、ブリュッセル空港からモスクワへと飛び立った。すでに今冬のACミラン入りは決定しており、来月中旬にはイタリアに渡る見込みだ。飽くなき向上心を持つ男はセリエAでさらなる進化を目指し、次は“ミランの本田”として日本代表のユニホームに袖を通す。優勝しか考えていないW杯に向け、日本代表の背番号4の挑戦は続いていく。

 ≪左19点、頭3点で右は初≫MF本田が後半8分に右足で決勝ゴール。国際Aマッチ通算得点を20点の大台に乗せ、歴代単独10位にランクインした。右足での得点はAマッチ通算20得点目で初。これまでの内訳は左足16点、ヘッド3点。今回の右足初得点は、くしくも本田のAマッチ通算20本目の右足シュート(左足156本、ヘッド17本)から生まれた。

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