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練習の成果だ!!香川、同点ミドルを新たな武器に

[ 2013年9月11日 06:00 ]

<日本・ガーナ>後半5分、ドリブルで切れ込み、同点のミドルシュートを決める香川

キリンチャレンジ 日本3―1ガーナ

(9月10日 日産ス)
 笑顔もガッツポーズもない。同点弾を決めると、香川は表情を引き締めたまま、すぐに自陣に戻った。0―1の後半5分、左サイドから中央に切れ込みペナルティーエリア外から右足を振った。プレスに来た相手DFの股の下を抜く鮮やかな一撃。国際Aマッチ2試合ぶりの16得点目を「無心だった。ニアサイドを狙ったらうまく股に入ってくれた。思い切りの良さが出た」と自画自賛した。マンチェスターU移籍1年目の昨季、2季連続得点王のファンペルシーのプレーを目の当たりにし「ゴールの形を増やす必要がある」と痛感。中距離からのシュート練習に取り組んだ成果だった。

 ミスを帳消しにした。前半24分に自身の不用意なパスミスからカウンターを食らい失点。ハーフタイムには「これを乗り越えられるか、自分に問いただした」と自らにプレッシャーをかけた。今季は所属するマンUで開幕から3試合出番なし。約1カ月ぶりの公式戦となった6日のグアテマラ戦で不発に終わると「試合に出てないことに対していろいろ言われるけど(不調を)そのせいにされるのが一番嫌」と漏らした。失点に直結するミスを犯したまま試合を終えれば、今後の所属クラブのプレーにも影響しかねない。「自信、勢いをゴールで取り戻したかった」。悲壮な決意で後半のピッチに立ち、試練に打ち勝った。

 アフリカ勢との国際Aマッチは、代表デビューを果たした08年5月24日のコートジボワール戦以来。19歳だった当時は後半30分から出場したが「ミスが多かった。悔しい内容」と不完全燃焼に終わった。約5年4カ月がたち、成長した姿を披露。前半29分に柿谷にスルーパスを通して決定機を演出するなど後半40分に途中交代するまで攻撃陣をリードした。休む間もなく、きょう11日に渡欧。マンUでのし烈な定位置争いに向け「ここからが本当の勝負。チャンスが来たらものにできるようにしたい」と力を込めた。苦悩のエースに生まれた待望の一撃には、1得点以上の重みがある。

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