×

本田 2分半熱弁!W杯優勝へ異例の宿題 香川に長友に遠藤に…

[ 2013年6月6日 06:00 ]

公式会見で代表について厳しい表情で話す本田(左)と苦笑いの岡崎(中央)今野

 不動のエースがザックジャパンに異例の宿題を課した。4日のW杯アジア最終予選で世界一番乗りで5大会連続のW杯出場を決めた日本代表が5日、さいたま市内で会見。W杯ブラジル大会での優勝を掲げるMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)は各選手の名前を挙げながら残り1年間での「個の成長」を訴えた。日本代表は6日にW杯アジア最終予選イラク戦(11日)へ向けてドーハに出発。15日からはW杯前哨戦のコンフェデ杯(ブラジル)に臨む。

【日本代表メンバー 日本代表日程 コンフェデ杯1次リーグA組】

 お祭りムードのなかで、本田が突然、熱血教師に変貌した。W杯出場決定から一夜明けの公式会見。ブラジルW杯で優勝するために何が必要か、と問われた時だった。

 「あまりしゃべりたくないんですけど…」と前置きしながらも、常日頃から訴える「個の能力アップ」を2分34秒間も熱弁。内容も全体像にとどめていた今までとは様変わり。各選手への細かいアドバイスまで送った。

 「きのうGKの川島選手がしっかり1対1を守った。そこをもっと高める。佑都(長友)と真司(香川)が個人で突破したところをブラジル相手でもできるように精度を高める。ボランチの2人はどんなにプレッシャーが来ても必ず攻撃陣にパスを供給できるように」…。対象は吉田と内田を除く主力選手全員。前夜のオーストラリア戦の結果を踏まえながら名前を列挙。そして現代表では3番目の古株となる30歳の今野には「A代表の心構え」を説いた。

 伏線は今野の「ビッグクラブでプレーしている人と一緒にプレーできるのは楽しい」という発言だった。それを受け、26歳の本田は「自分が前に出るという人が集まっているのが代表。真司や佑都のようにトップクラブでやっている選手もいるけど、そうじゃないリーグやクラブでやっている人もできることがある。それを今野選手のように憧れみたいな気持ちでやってもらっては困る」とバッサリ。先輩を厳しく叱責(しっせき)するのは勇気がいることだが、本気で世界一を目指しているからこその決意の表れ。ザッケローニ監督は「良いことだよ」と理解を示し、今野も「今は本田のチームといってもおかしくない」と真摯(しんし)に受け止めた。

 当然、自身のことを棚上げにすることはしない。今後に関しては「自分の強みを再確認しながらやれることをやりたい。この1年、短いけど考え方によってはまだ1年もあるという見方もある」と自身に言い聞かせるように話した。

 優勝を狙うW杯ブラジル大会は来年6月12日に開幕。チームはアジア最終予選イラク戦を経て、プレ大会のコンフェデ杯に臨む。

 「勝ちにいく。超強気でいきます」

 W杯出場を決めても“本田先生”に浮かれた様子はない。

 【本田の不満発言】

 ★W杯南アフリカ大会決勝トーナメント1回戦パラグアイ戦(10年6月29日)PK戦で敗れ敗退。「思った以上に喜べない。目標がまだ上にあるから」と達成感はなし。

 ★W杯ブラジル大会アジア最終予選第1戦オマーン戦(12年6月3日) 「3―0の数字だけ見れば上出来だが、4、5点目を狙いにいかないといけない。こんなんで満足できるチームではない」と不満を爆発させた。

続きを表示

2013年6月6日のニュース