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鵬翔 死闘決勝制した!4度目PK戦制し宮崎勢初頂点

[ 2013年1月20日 06:00 ]

<鵬翔・京都橘>PKを決めたGK浅田(背中)の元に走る鵬翔イレブン

全国高校サッカー選手権決勝 鵬翔2―2(PK5―3)京都橘

(1月19日 国立)
 雪のため延期となっていた決勝を行い、鵬翔(宮崎)が2―2からのPK戦を5―3で制して京都橘を振り切り、宮崎県勢として初優勝した。鵬翔は今大会4度のPK戦を制して頂点に立った。鵬翔は常にリードされる展開だったが、後半に芳川と矢野の得点で2度追い付き、PK戦では5人全員が成功した。京都橘の2トップ、仙頭と小屋松が通算5ゴールで並び、得点王に輝いた。
【試合結果】

 1週間分の喜びが凝縮されていた。110分では決着がつかず、迎えたPK戦。鵬翔の5人目、GK浅田が冷静に左隅に決めると、雪が解けた国立のピッチに鵬翔イレブンの笑顔が咲いた。

 「最高ですね。勝因は気持ちの強さと、諦めなかったこと。最高の正月のお年玉。日々、精神的にも、技術的にも強くなるのが目に見えて分かった」。悲願の初優勝に松崎博美監督(62)は声を震わせた。

 前半を1点ビハインドで終えると、早々と勝負手を打った。昨年12月に左膝を手術し、準決勝までの5試合は15分程度の出場だったエースの中浜を後半開始から投入。元日本代表のFW興梠(浦和)も背負った鵬翔のエースナンバー13の快速ドリブルで攻撃にリズムが生まれた。「最後だからケガのことも考えず思い切り行った」。その中浜のドリブル突破で後半4分にCKのチャンスをつかみDF芳川が頭で決めて同点。同19分に再び勝ち越されたが、矢野主将がPKを決めて同点に追い付いた。

 PK戦直前には、矢野主将は円陣で「夏合宿の方がきつかったぞ!」と声を飛ばした。走り込みで戦い抜く体力をつけた鹿児島・志布志での夏合宿。関西遠征では関大などと練習試合を行い、実力では上の大学生を相手に磨いた精神力が発揮された。決めて当然、とプレッシャーがかかるPK戦。1人目のエース仙頭が外した京都橘に対して、鵬翔は5人全員が決めた。

 創部30年目に果たした宮崎勢初優勝。過去11度のうち7度は初戦敗退だった鵬翔だが、今大会は貪欲に勝利だけを追い求めた。松崎監督は「通過点」と選手たちに言い聞かせ、練習後には「目指せ、国立!」と声を出させた。「宮崎県に優勝旗を持って帰るという約束を果たせて良かった」と矢野主将。強い思いはついに現実になった。

 【大会記録アラカルト】

 ☆宮崎県勢 42回挑戦して初戦敗退が24回。これまでの最高がベスト8(4回=79、94、04、10年度)で準決勝進出も今回が初めてだった。九州では長崎(7回)福岡、鹿児島(ともに2回)に次いで4県目の日本一。鵬翔は前身の宮崎中央時代を含めて12回目の出場で、これまでは04年のベスト8が最高。

 ☆PK決着 78回大会(99年度)までは決勝戦で延長戦を行っても決着がつかない場合は両校優勝(過去7回)としていた。初めて延長PK戦を行ったのは83回大会(04年度)決勝の鹿児島実0―0(PK4―2)市船橋戦。今回が2度目。また、優勝した鵬翔は1回戦(東邦)2回戦(帝京大可児)準決勝(星稜)に次いで今大会4度目のPK戦勝利。1大会でのPK戦4勝は大会史上初。

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