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謎の若手帯同…不気味なジーコ監督 ザックジャパンの脅威に

[ 2012年9月10日 06:00 ]

来日初練習で選手に指示を出すイラク代表のジーコ監督(中央)

W杯アジア最終予選グループB 日本―イラク

(9月11日 埼玉)
 ジーコ監督(59)率いるイラク代表が9日、14年W杯アジア最終予選の日本戦(11日、埼玉)に向け、直前合宿を行っていた韓国から成田空港着の航空機で来日した。この日、練習を行ったメンバーには07年アジア杯MVPのFWユーニス・マフムード(29)もいたが、情報の少ない若い選手も多く含まれていた。指揮官は日本を既に丸裸にしているもようで、かつて日本代表を率いた“神様”の存在は、ザックジャパンにとって脅威となりそうだ。

 Jリーグでプレーし、日本代表も率いた“神様”が敵将としてやって来た。「皆から愛されている国に戻ってくることは素晴らしい」。約15年過ごした第二の故郷に足を踏み入れると一瞬、感傷に浸ったジーコ監督だが、表情は自信に満ちていた。

 自信の裏付けは徹底した日本の情報収集だ。長谷部、駒野、遠藤の3選手は直接指導しており、FKを伝授した遠藤のキックは癖も見抜いている。ザックジャパンのVTRも既に全試合入手しているようで、全選手の特徴は把握済みだ。6日のUAE戦は兄のエドゥー氏が視察。「試合は見ていない。これから兄と話す」とはぐらかしたが、日本戦にロングボールを多用するかと問われると、間髪入れず「UAE戦は日本がロングボールを多用していたじゃないか」と研究済みであることを思わず漏らした。エースFWユーニスも「(研究は)当然だろ。相手は日本だぜ」と証言した。

 都内で行ったこの日の練習には22選手が参加したが、陣容は謎に包まれたまま。規定では試合の24時間前までメンバーの入れ替えが可能で、日本協会も「大枠では分かっているが…」と完全には把握できていない状況だ。イラク代表は国内情勢の不安から国内で練習が行えない状況が続いているが、6日のKリーグ・尚州との練習試合では3―0で完勝。「自信は常にある。若いチームなのでメンタル面で調整がうまくいけば良い結果が残せる」と話した。

 ジーコ監督にとって決戦の地・埼玉スタジアムは日本代表監督時代に7勝2分けと無敵を誇った縁起の良い会場。日本代表のザッケローニ監督も4戦全勝とあって「だったら引き分けだね。引き分けだったらわれわれにとっては良い結果だよ」と不敵に笑った。日本サッカーを熟知するその存在は厄介なものとなりそうだ。

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2012年9月10日のニュース