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西野ヴィッセル黒星発進…リーグ戦中断期間で立て直しへ

[ 2012年5月27日 06:00 ]

<神戸・鹿島>初陣を飾ることができず、悔しげな表情を見せる神戸・西野監督

J1第13節 神戸1―2鹿島

(5月26日 ホームズ)
 神戸の西野朗新監督(57)が26日、初陣となる鹿島戦(ホームズ)に臨み、1―2で敗れた。クラブとして09年4月26日のG大阪戦以来となる2万人超えの観衆のもと、わずかな準備期間で挑んだ指揮官は、チームを西野色に染めることはできずFW田代有三(29)のゴールで1点を返すのが精いっぱい。3週間のリーグ戦の中断期間で立て直しをはかる。

 J屈指の名将といえども、沈滞するクラブを一瞬で立て直す魔法の杖までは持っていなかった。神戸の監督に就任したのが1週間前の19日。練習期間たった4日で臨んだ初陣は強豪の前に力負けを喫し、チームもリーグ戦3連敗となった。

 「結果は非常に残念です。先制されて鹿島のチームスタイルに持っていかれる展開となった」。西野新監督は敗戦の味を淡々とかみしめた。

 いきなり計算が狂った。前半7分、DF李光善(イグァンソン)のクリアミスから先制点を献上。神戸伝統の堅守速攻のスタイルを踏襲して活路を見いだすつもりが、1点を先に奪った相手のペースに巻き込まれ後手に回る。後半6分にも同じ韓国人DFが突破されて追加点を許すと、攻撃力に乏しい現状のチーム力では2点は重過ぎた。激しいアクションもなく静かに戦況を見守った指揮官は「久々にワンプレーの厳しさを味わった」と振り返った。

 ただ自身のカラーも垣間見せた。後半9分、MF野沢を神戸では初のボランチに下げると、滞っていた攻撃に活気が出始め、終了間際の田代のゴールにつながった。

 「可能性をいろいろ感じたゲーム」と手応えも口にした新指揮官は、3週間のリーグ戦中断期間と、その間にあるナビスコ杯2試合を見据える。「我々に消化試合はない。いろいろなチャレンジができる」。西野ヴィッセルの本領発揮は、まだこれからだ。

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2012年5月27日のニュース