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宇佐美躍動!U23 オランダ撃破で準決勝進出に望み

[ 2012年5月27日 06:00 ]

<日本・オランダ>前半、ボールを競り合う宇佐美(左)

トゥーロン国際大会1次リーグA組 日本3-2オランダ

(5月25日 サン・ラファエル)
 U―23日本代表は25日、U―22オランダ代表に3―2で競り勝ち、準決勝進出に望みをつないだ。0―2で敗れた23日のトルコ戦から先発を8人入れ替え、来季からホッフェンハイムに加入するMF宇佐美貴史(20)が1アシストを含む2得点に絡む活躍で勝利に貢献した。27日のエジプト戦に勝てば、自力での準決勝進出が決まる。

 五輪予選で主力ではなかった戦力が躍動した。負ければ準決勝進出が絶望となる一戦で、関塚監督は1トップに指宿、2列目のMFに斎藤、高木、宇佐美を起用。2列目の選手らが流動的に入れ替わり、多彩なパスワーク、ドリブルでゴールに迫った。その中でひときわ輝いたのが宇佐美だった。

 1―1の後半3分、高木のスルーパスからDFラインの裏に抜け出すと、GKを引きつけてラストパス。指宿のゴールをアシストした。「自分が打っても良かった。でもイブくん(指宿)も上がってきていたので可能性が高い方がいいかなと。俺のゴールって書いてください」。すぐに追いつかれたが、後半33分に扇原のゴールで勝ち越し。宇佐美が大きく右に展開し、決勝点の起点となった。

 まさに有言実行の働きだった。23日の初戦トルコ戦では出場機会がなく「自分が入ればドリブル突破でリズムを変えられる」とパスが主体の単調な攻撃を指摘。この日は指揮官からポジションを固定しなくていいと指示され「好きなところに動いてスペースを埋めるようにした。相手も捉えにくかったんじゃないかな」と自由に動き回り、ゴールを狙うだけでなく中盤でのためをつくった。

 球際の強さも発揮した。「外国人とやっている感覚はなかった」。今季はバイエルンMでもまれただけに、さらりと言ってのけた。ただし、強豪クラブでは出場機会に恵まれず、試合への欲望が大きくなった。「たまったうっ憤は一生晴れないと思う」。その悔しさを約1年ぶりのU―23世代での公式戦で吐き出し、満足げな表情を浮かべた。

 関塚監督は「自分たちの持っているものを出せば、彼らにはこれだけの力がある。きょうは選手たちがよくやったと思う」と選手を称えた。五輪予選には出場しなかった宇佐美の活躍は、底上げが必要な関塚ジャパンにとって、なによりの朗報となった。

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