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5試合ぶり取った!勝った!神戸、昨季王者に快勝

[ 2012年4月22日 06:00 ]

<神戸・柏>前半14分、野沢はFKを直接決め先制ゴールを奪う

J1・第7節 神戸3―1柏

(4月21日 ホームズ)
 ミナト神戸に勝利の灯が戻った。ホームで昨季王者の柏と対戦した神戸はMF野沢拓也(30)、FW田代有三(29)ら移籍組の活躍で3―1と快勝し、リーグ戦の連敗を4で止めた。

 勝者のメンタリティを持つ男のパフォーマンスが、4戦連続ゼロ敗中の神戸の空気を一変させた。前半14分に得たFK。野沢の右足から放たれたシュートは10人の壁を越えて鋭く曲がり落ち左ポスト際に吸い込まれた。

 チームにとって5試合ぶりの得点を生んだ背番号8は和田監督のもとへ一直線に走り寄り、そして固く抱き合った。「一番は和田さんの責任になっていた。そういう思いがあったんで…。思わず行ってしまいました」。この熱い抱擁がチームをひとつにした。

 大きな期待とともに鹿島から移籍した司令塔を待っていたのが、常勝クラブでは味わったことのない経験だった。「連敗というのは慣れてない」。勝てない状況に戸惑い、もがいた。試合後には選手を集めて意見をぶつけ合い、熱くなり過ぎて予定の飛行機に乗り遅れたこともあった。

 この日の試合後には、サポーターへのあいさつ中に思わず涙をこぼした。「重圧はこのチームに来た選手はみんな感じていたし、いろいろな思いがあふれて来た」と、しみじみと口にした。

 その気持ちは移籍後初先発の田代も同じだった。空中戦でピッチにたたきつけられ、最後は足をつりながらそれでも懸命に走り続け、後半46分にこぼれ球を押し込んで神戸での初ゴールを決めた。

 昨年12月に左足首の手術をし新天地では別メニューでスタート。その後は右ふくらはぎ、右太もも、左太ももなどあらゆる箇所に故障を発症し、ようやく復帰した。

 「長いリハビリをしてきたし、ご褒美みたいな点ですね」

 内容では押されながら、さまざまな思いが結実してつかんだ5試合ぶり勝利。今年の神戸には男くさいドラマが詰まっている。

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2012年4月22日のニュース