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仙台は負けない!新助っ人の劇的ドロー弾で首位堅持

[ 2012年4月8日 06:00 ]

<仙台―磐田>試合終了直前に同点ゴールを決め、柳沢(13)らと喜ぶ仙台・ウイルソン(18)

J1第5節 仙台2-2磐田

(4月7日 ユアスタ)
 仙台が新助っ人の劇的同点弾で首位を守った。ホームで2位磐田との頂上決戦。後半に2度リードを奪われながらMF関口訓充(26)の2季ぶりの得点と、同ロスタイムのFWウイルソン(27)の2戦連続ゴールで追いつき2―2で引き分けた。開幕からの連勝は4で止まったが、貴重な勝ち点1を加えて2節から続くトップの座を堅持。一方、磐田は8季ぶりの首位浮上をあと一歩で逃した。
【試合結果 順位表】

 前半は雪も舞ったユアスタに、最後の最後にミラクルが舞い降りた。1―2。5分と表示された後半ロスタイムのまさにラストプレー。負ければ首位から陥落する仙台を救ったのはブラジル人ストライカーのウイルソンだった。菅井からのロングボールを相手DFを背負いながら絶妙な胸トラップでコントロールすると右ターンから「得意じゃない」左足を振り抜いた。バウンドしたボールがゴールネットを揺らしたのは後半49分56秒。試合終了わずか4秒前のドラマにスタジアムは歓喜のるつぼと化した。

 「最後は何とかしたいという気持ちだった。ゴールを決められてうれしい」。来日初ゴールを決めた3月31日の敵地C大阪戦に続く2戦連続弾。ホーム初得点は地元サポーターへのあいさつ代わりの一発であり、恩返しのゴールだった。

 約3年前から獲得を狙っていた仙台から今オフにオファーを受けて、陝西宝栄(中国)から加入。昨年3月11月の東日本大震災直後にFWマルキーニョス(現横浜)が退団するなど、被災地を敬遠する外国人選手が少なくない中、ウイルソンには迷いがなかった。

 03年に第1回仙台カップ国際ユース大会にU―18ブラジル代表の一員として出場。MF梶山(現FC東京)、DF水本(現広島)らを擁したU―18日本代表戦で2得点を挙げるなどの活躍で優勝に貢献した。「優勝したことのある素晴らしい町でプロとしてプレーしたかったし、震災でつらい思いをした人々に自分のゴールで喜んでほしかった」。年俸は5000万円(推定)とブラジル、中国時代より下がったが、初来日時に温かく迎えてくれた仙台の人々のためにプレーするという決意は揺るがなかった。

 クラブの誰もが「真面目」と口をそろえる点取り屋について、手倉森監督は「献身的な守備ができるし、キープ力、突破力がある。効果的な補強だった」と高く評価した。この日も関口の1点目をアシストし、1得点1アシストをマークしたウイルソンの加入効果で昨季リーグワースト6位(39)だったチーム総得点は、ここまで11得点でリーグ最多。東日本大震災を乗り越えて進化を続ける仙台は、もやは堅守だけのチームじゃない。

 ◆ウイルソン・ロドリゲス・フォンセカ 1985年3月21日、ブラジル生まれの27歳。03年に名門コリンチャンスでプロデビュー。パウリスタ、セリエAのジェノア、スポルチレシフェ、陝西宝栄(中国)を経て今季から仙台に加入。1メートル81、75キロ。利き足は右。血液型O。既婚。

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