×

“ボンバー”荒川 なでしこ復帰?キリン杯招集も

[ 2012年3月19日 06:00 ]

<浦和・日テレ>軽快な動きを見せる浦和・荒川

練習試合 浦和5-0日テレ

(3月18日 姉崎)
 なでしこジャパンに“ボンバー”が帰ってくる?過去に2度五輪に出場した浦和のFW荒川恵理子(32)が18日、千葉県市原市で行われた日テレ戦でゴールを決め、左すねの疲労骨折からの完全復活をアピール。視察したなでしこジャパンの佐々木則夫監督(53)も4月1日に米国(ユアスタ)、同5日にブラジル(ホームズ)と対戦するキリンチャレンジ杯のメンバー入りの可能性を示唆した。

 佐々木監督の表情がみるみるうちに真剣なものになった。指揮官の視線に飛び込んできたのは、ボンバーヘッドでおなじみの荒川の雄姿。古巣・日テレ戦の後半6分だった。左FWで先発した荒川はMF吉良のスルーパスにトレードマークのアフロヘアを揺らしながら抜け出すと、GKとの1対1を冷静に対処し、右足で流し込んだ。

 得点シーンは1度だけだったが、佐々木監督は決定力の高さを大絶賛。アテネ、北京五輪で日本のエースだった荒川について「前半はノーミス。獲物を狙う魚のようで、助っ人外国人みたい。ベテランを呼ぶ可能性はあるよ」と、代表復帰に含みを持たせた。

 数年前まで人気と実力ともに、なでしこの顔だった。しかし、昨年のアルガルベ杯(ポルトガル)から帰国した直後の3月に左すね7カ所の疲労骨折が判明した。懸命のリハビリと食生活の改善などで医師も驚く回復を見せ、10月末には練習に合流するも、昨季リーグ戦は終盤2試合に途中出場しただけ。空前のなでしこフィーバーとは無縁の1年を送った。

 スーパーのレジ打ちの仕事で生計を立てるスタイルは10年前から変わっていない。買い物客からは「もうやめちゃったの?もったいなかったね」など、耳の痛い言葉も掛けられるという。それだけに「引退したと思っている人も多いみたい。また代表に復帰して選手を続けていることを知ってもらいたい」と、日の丸にはこだわりを見せている。

 キリンチャレンジ杯のメンバーは23日に発表される。19日には再び佐々木監督が新潟との練習試合を視察予定。「少しでもアピールしたい」。日テレ時代に沢穂希と双璧だった身体能力は色あせていない。3度目の五輪の大舞台に立つまで、絶対に諦めない。

続きを表示

2012年3月19日のニュース