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優勝候補筆頭がなぜ“圏外”に…松本山雅 J2への宿題(1)

[ 2011年12月16日 12:19 ]

開幕戦で逆転負けを喫し、険しい表情で引き揚げる松本山雅の松田さん(左)ら

 来季からいよいよJリーグの舞台に挑む松本山雅FC。JFLのリーグ最終戦での決着は劇的で感動的だった。ただし、優勝候補に挙げられながら一度も優勝争いに絡めず、長野県内のライバル、長野パルセイロより下の順位で終えたことも事実。なぜ優勝を逃したのか、そして来季J2でさらに上を目指すためには何が必要なのか。今季の戦いを振り返りながら考える。

 昨季7位に終わった山雅は、シーズンオフに積極的な補強を敢行した。元日本代表DF・松田直樹さんをはじめ、J経験者7人を含む8人が新たに加入。JFLでは屈指の戦力を手にし、開幕前は優勝候補筆頭に挙げられた。

 ところがフタを開けてみれば、開幕戦の逆転負けに始まり、序盤の5試合を終えて1勝2分け2敗。勝ち点5は開幕前に吉沢前監督がノルマに掲げた「5試合で勝ち点10」のわずか半分にすぎず、16位に低迷。結局、この出遅れがシーズンの最後まで響いた。

 新加入選手が多かったとはいえ、序盤戦は攻守ともに連係ミスや、選手同士の意思疎通がうまくいかない場面が目立った。戦術も頻繁に変わり、チームが目指す方向性が定まらなかった。東日本大震災の影響で開幕が1カ月半延期されたにもかかわらず、準備不足は明らかだった。

 鳴り物入りで入団したはずの松田さんも開幕後しばらくは精彩を欠いた。随所に光るプレーは見せるものの全体の運動量が少なく、その分周囲の選手に負担がかかった。実は昨年12月に極秘手術した右膝の状態が思わしくなく、それを隠しながらプレーしていた。

 開幕から1カ月が経過し、ようやくチーム状態が上向きだしたかに思えたころ、クラブは吉沢前監督を電撃解任。加藤監督の下、再出発を図ることになる。

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2011年12月16日のニュース