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バルセロナ4発王手!メッシ“針の穴”アシスト

[ 2011年12月16日 06:00 ]

<アルサド・バルセロナ>後半、オーバーヘッドでファンを魅了するメッシ

クラブW杯準決勝 バルセロナ4-0アルサド

(12月15日 横浜国際)
 欧州王者バルセロナ(スペイン)が2大会ぶり2度目の優勝に向け貫禄のスタートを切った。アジア代表アルサド(カタール)に4―0と快勝した。DFアドリアーノ(27)が2点を挙げ、後半19分にはエースのFWリオネル・メッシ(24)が鮮やかなスルーパスで3点目をアシストした。欧州勢の決勝進出は現行方式となった05年から7大会連続。バルセロナは18日の決勝で南米代表サントス(ブラジル)と対戦。アルサドは同日の3位決定戦でJ1王者の柏と顔を合わせる。

 場内が沸いた。ゴールではない。それでも6万6298人がこの日一番の歓声を上げ、ため息が続いた。後半21分だ。ゴール前でメッシがGKと競り合い、宙を舞ったボールに反応。左足のオーバーヘッドはゴールを外れたが、ファンの心をわしづかみにした。その2分前にはドリブルから右足でMFケイタの足元にぴたりと収まる絶妙のパスで3点目をアシスト。無得点ながら、観客のカメラのフラッシュを浴び続け、バルセロナのエースが存在感を発揮した。

 試合後は取材ゾーンを通らずコメントは残さなかったメッシだが、大会前には「06年は出場できなかったから特別な思い入れがある」と話していた。UAEで行われた09年大会でクラブ世界一に貢献したものの、日本での06年大会は左足第5中足骨骨折で舞台に立てなかった。当時は肉離れに悩まされるなどシーズンを通じた活躍ができなかったが、今ではチームドクターのプルナ医師が「チームで最も強じんな肉体を持っている」と断言。成長した姿で日本にやってきた。

 09年12月に右足首を負傷した際に「故障を少なくするため肉体改造を行いたい」とチームドクターに相談。母国アルゼンチンの肉料理が好物だったが、野菜も含めてバランスがとれた食生活に改善した。適切な疲労回復も徹底し、以前は大小含めて11回の故障を経験していたが、肉体改造以降は軽度の故障が3回しかない。10日の国内リーグ・Rマドリード戦から先発6人を入れ替えたこの日もフル出場。GKを除けば今季公式戦でチーム最長の2278分に出場し、勝利を支えてきた。

 そんなエースに率いられ、この日は全4得点を控え選手が記録。総合力を見せつけた。メッシのパスから今季公式戦初得点を決めたケイタは「彼は得点だけでなく素晴らしいアシストもしてくれる」と笑った。

 18日の決勝はブラジルの至宝ネイマールを擁する南米王者サントスと対戦する。グアルディオラ監督は「世界一を目指したい」と力を込めた。ウオーミングアップを終えたメッシが、今度はゴールで勝利を呼び寄せる。

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