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鹿島、最後の最後で興梠弾!ACLに王手!

[ 2010年12月30日 06:00 ]

<鹿島・FC東京>延長後半ロスタイム、鹿島・興梠(左)が決勝ゴールを決める

 【天皇杯準決勝 鹿島2-1FC東京】鹿島が“サヨナラ”ゴールで王手をかけた。FC東京のFW平山相太(25)に先制点を許したものの、延長後半ロスタイムの最後のプレーでFW興梠慎三(24)が逆転ゴールを決め、2―1で07年度大会以来、3年ぶりに決勝に進出した。また、清水は今季限りでチームを去るメンバーが奮闘し、3連覇を狙ったG大阪に3―0で完勝。決勝戦は新年1月1日に国立競技場で行われる。

 ゴールのにおいがした。中央でボールを持ったMF本山が右を走るFW大迫に浮き球のパスを出した瞬間、興梠はゴール前に走り込んでいた。予感通りに大迫からラストパスが来る。右足でゴールに流し込むと、この一発を待っていたかのように終了のホイッスルが響き渡った。
 「延長になって絶対にワンチャンスがあると思っていた。それが最後の最後に来た。いいところに来たからラッキー。きっちり決められて良かった」。ロスタイムのゴールは過去リーグで2試合あるが、得点とともに試合の終わる“サヨナラ”ゴールは初。120分間の死闘に決着をつけたヒーローは声を弾ませた。
 チームを去ったエースからの言葉を胸に戦った。07年からのリーグ3連覇に貢献したFWマルキーニョスだが、今季限りでの退団は実は1年前から決めていた。「ベストパートナーは慎三」と公言していたマルキーニョスは「俺は2010年が最後になる。その後はおまえがエースだ」と興梠本人に鹿島の未来を託していた。
 興梠はリーグ戦では10月24日の横浜戦を最後に、終盤の6試合は無得点。「自分が決めていれば…」とACL圏外の4位に終わった責任を痛感していた。だが、マルキーニョス不在の中、天皇杯は準々決勝の名古屋戦に続いて2試合連続ゴールで期待に応えてみせた。
 北京五輪、そして、W杯南アフリカ大会と候補に名を連ねながら代表から落選した。そして、ザックジャパン初の公式大会、アジア杯のメンバーにも選ばれなかった。代表合宿は既に始まっているが、14年のW杯に向け、鹿島で活躍することが代表入りへの近道と信じている。
 「ACLに出るためにも天皇杯で優勝したい。剛さんにはお世話になったし、優勝で送り出したい」。今季で引退する功労者のDF大岩を送り出すためにも鹿島にとって意味のある天皇杯。14個目のタイトルを獲って新エースの実力を証明する。

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2010年12月30日のニュース