×

遠藤トップ下 俊輔と2列目“ダブル司令塔”

[ 2010年4月7日 06:00 ]

紅白戦でともに2列目で息の合ったプレーを見せる中村(右)と遠藤

 日本代表は7日、長居スタジアムでセルビアと対戦する。5月中旬のW杯メンバー発表前最後の公式戦で、MF中村俊輔(31)とMF遠藤保仁(30)の2人が、08年5月27日のパラグアイ戦以来、約1年11カ月ぶりに攻撃的MFのポジションで同時先発することが濃厚となった。故障者続出を受けての苦肉の策だが、プレー内容次第では、ダブル司令塔を2列目で併用する布陣が新たなオプションになる可能性も出てきた。

【日本代表メンバー


 息はピタリと合っていた。セルビア戦前日の午前中に行われた紅白戦。主力組の攻撃的MFには右に中村、中央に遠藤が並んだ。主に攻撃的MFとボランチの関係だった2人が、2列目で併用されるのは08年5月27日の親善試合パラグアイ戦以来、約1年11カ月ぶり。それでもオシム政権下では何度も2列目でコンビを組んでいただけに、紅白戦では中村のスルーパスに遠藤が反応するシーンが見られるなど、2人のパス交換から何度も好機が生まれた。
 今合宿は左ひざ内側側副じん帯損傷の大久保、下あご骨折の中村憲が不参加で、松井、本田ら欧州組も招集されていない。さらに玉田が左足首痛を訴えるなど、2列目の選手に故障者が続出している。岡田監督は「中盤にケガ人が多くて選手がいない。これ(遠藤のトップ下起用)はテストではない」とその場しのぎの采配であることを強調した。だが、中村が「誰かがケガした時とか、本番でも十分にありえる」と説明するように、ダブル司令塔は新たなオプションになる可能性を秘めている。
 遠藤も「自由にやりながら、どんどんリスクを冒したい。(中村)俊とポジションチェンジをしながらやる。トライするいいチャンス」と前向きだ。1次リーグでカメルーン、オランダ、デンマークと同組になったW杯本大会では守備に時間を割かれる可能性が高いだけに、コンタクトプレーに強さを発揮する稲本、阿部のダブルボランチのテストも重要な意味を持つ。ケガ人続出の緊急事態を受けての苦肉の策だが、セルビア戦の内容次第では本大会で採用される可能性も十分。ピンチをチャンスに変えられるかどうか。

続きを表示

2010年4月7日のニュース