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18歳輝いた!山田直、初陣いきなりアシスト

[ 2009年5月28日 06:00 ]

<日本・チリ>後半ロスタイム、本田圭佑(左から2人目)のゴールをアシストした山田直輝(右から2人目)は香川真司(左)、中沢佑二とともに喜ぶ

 MF山田直輝(18=浦和)が鮮烈な代表デビューを飾った。キリン杯が27日、大阪・長居で行われ、日本代表はチリ代表に4―0で快勝した。今回初招集された山田は前半39分、FW玉田に代わって途中出場するとドリブル、パスで攻撃にアクセントをつけ、後半ロスタイムにはMF本田のゴールをアシストした。18歳327日での国際Aマッチ出場は日本代表歴代4位の年少記録。歴史を変えた岡田ジャパンの新星は、10年W杯南アフリカ大会でも十分に戦力となることを証明した。

【試合結果


 18歳の新星が岡田ジャパンの一員として認められた瞬間だった。3点リードの後半ロスタイム。山田が矢野の落としたボールを受け、DFを引き付けて右サイドに絶妙のパスを送った。「数的優位の状況だったのでより確実なプレーを選択した」。南米の強豪にとどめを刺す本田のダメ押し弾をアシスト。中沢に頭を叩かれるなど仲間から手荒い祝福を受けた。

 出番は突然、訪れた。右足首を痛めた玉田に代わり、前半39分から左MFで緊急出場。18歳327日での国際Aマッチデビューは市川、小野らに次ぐ史上4番目の年少記録となった。ピッチに立った直後は気合が空回りしてミスも目立ったが、すぐに平常心を取り戻した。前半ロスタイムには左サイドからのクロスを岡崎の頭に合わせて決定機を演出した。そして後半7分、中盤から約50メートルを一気に駆け上がりペナルティーエリアに侵入。右クロスに飛び込みゴールに迫った。山田の最大の武器は華麗なパスでも豪快なドリブルでもない。豊富な運動量で相手の嫌がる局面に顔を出す。その持ち味が生かされたシーンだった。

 浦和ユース時代の昨年4月26日の京都戦で2種登録選手のままJデビューし、今年1月にプロ契約したばかり。4月4日の大分戦で不調の高原に代わり今季初先発。その後、浦和で先発に定着すると、わずか1カ月余りで代表に抜てきされた。岡田監督は「長くても30分と思っていたが、玉田のケガで思い切って使った。最初の試合でここまでやってくれるとは。もの凄く可能性を感じた」と絶賛した。

 代表合宿初日は緊張していたが、すぐにチームに溶け込んだ。「都築さんの近くにいれば、みんなあいさつに来るので自分も話す機会が増える」と浦和の先輩を利用して、チームメートたちとの仲を深めていった。都築が「あいつはずぶとい。何も心配いらんよ」と苦笑いするほどのどん欲さだった。

 金田喜稔の19歳119日を抜く、最年少得点記録の樹立はお預けとなったが、インパクト十分のデビュー戦。山田は「W杯はサッカーを始めた時からの夢。少し現実に近づいてきたかなというのは少なからずある」と手応えを口にした。大きな可能性を感じさせた52分間。1メートル66の童顔MFが、10年W杯南アフリカ大会に向けて大きな一歩を刻んだ。

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2009年5月28日のニュース