×

要の中沢離脱…岡田ジャパン崩壊の危機

[ 2008年11月11日 06:00 ]

右足負傷のため日本代表辞退を発表した中沢佑二

 DF中沢佑二(30=横浜)が代表を辞退する非常事態に陥った。日本代表は10日、親善試合シリア戦(13日、ホムスタ)とW杯アジア最終予選カタール戦(19日、ドーハ)に向けた合宿を神戸市内でスタート。8日の京都戦で負傷した中沢は、川崎市内の病院で精密検査を受け、右股関節内転筋肉離れで全治3週間の診断。GK楢崎正剛(32=名古屋)に続く、守備の要の離脱で岡田ジャパンが窮地に立たされた。

【日本代表メンバー
W杯アジア最終予選A組


 大黒柱の辞退という厳しい現実が、岡田ジャパンに突き付けられた。中沢が右股関節内転筋肉離れで全治3週間。この日から始まった合宿参加を辞退し、13日のシリア戦と19日のカタール戦の欠場も決定した。10月15日のウズベキスタン戦を1―1で引き分け、アウェーのカタール戦はW杯出場に向けて負けられない大一番。「試合前にケガをしてしまい、非常に残念」と唇をかんだ。

 中沢は岡田ジャパン発足後の17試合中、最多の16試合に出場。主将として守備を統率し、セットプレーからチーム最多タイの4得点を叩き出している大黒柱だ。出番がなかったのは、バックアップの寺田をテストした5月27日のパラグアイ戦だけで、岡田監督の信頼が厚く、代えの効かない存在。代役候補には寺田や追加招集された高木、本来は中盤の阿部らが挙がるが、寺田、高木は国際Aマッチ出場が2試合しかなく、経験不足は否めない。阿部も本職ではないだけに不安は大きい。

 19日のカタール戦に進退が懸かる岡田監督は「ケガは何とかできることではないので受け入れるしかない。いるメンバーが力を合わせるしかない」と平静を装ったが、事態は深刻だ。6日の練習中に左足首を痛めた正GK楢崎がすでに離脱しており、中村は左ひざ痛、闘莉王も左すね痛を抱える。主力に故障が続出する非常事態に、闘莉王は「みんな壊れている」と厳しい表情を浮かべた。

 日本はカタールとの国際Aマッチ通算成績が3分け2敗。5試合以上戦ったアジアの国で唯一、白星がない天敵だ。中沢は「いるメンバーを信頼して応援するしかない」と仲間に大一番を託したが、大黒柱不在のチームが混乱に陥る可能性は高い。4大会連続のW杯出場へ、岡田ジャパンが最大の正念場を迎えた。

続きを表示

2008年11月11日のニュース