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勝てない…痛烈ヤジ…闘莉王“怒りの涙”

[ 2008年10月19日 06:00 ]

試合後、サポーターとモメた闘莉王は泣きながら引き揚げる

 【浦和0―1神戸】闘莉王が泣いた。試合後、浦和の一部サポーターのヤジを浴び感情を爆発させた。ゴール裏のスタンド付近に詰め寄ると場内は騒然。慌ててGK山岸らが止めに入り事なきを得たが、無念さが涙となってあふれ出た。首位・鹿島が遠のく痛恨の0―1敗戦。「きょうはやらないよ」。どんな状況でもメディアに対応してきた闘莉王の“取材拒否”が、異常事態を物語っていた。

 ある主力選手は「覇気がなかった。速攻にも対応できていない」と試合を振り返った。後半37分の失点も速攻から。精彩を欠いていた鈴木がゴール前で相手FWに簡単に抜き去られたお粗末な失点だった。攻撃も前線の3人に頼るだけで形は見えてこない。高原は「こういう試合しかできないことが恥ずかしい。根は深い」と吐き捨てた。
 試合後、ロッカー室でのミーティングでエンゲルス監督は「甘い。対人も、プレーも甘い」とイレブンに怒声を張り上げた。関係者によれば、指揮官は控え選手の態度にも苦言を呈したが、真しに耳を傾けない選手も何人かいたという。ついに一枚岩にもヒビが入り始めた。V奪回はもはや風前のともしび。ACL準決勝G大阪戦(22日)の結果次第では今季終了後にも監督の進退問題に発展する可能性が高い。浦和に秋風が吹いてきた。

 ≪崩れたチームに埋もれた達也≫日本代表の岡田監督が視察する中、浦和FW田中達が後半11分から途中出場した。だが攻守のバランスを崩したチームに埋もれ、持ち味は半減。特に終盤はパワープレーに移行したため、ドリブルでかき回す特徴は消し去られた。「最後の方はつなぐというより闘莉王に合わせる展開になったので、ボールに触れなかった」と田中達。岡田監督も「試合に出たんだから(負傷の影響は)なかったんじゃない」と多くを語らなかった。

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2008年10月19日のニュース