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「7年後」もっと暑い炎熱五輪 気象予報士森田氏指摘

[ 2013年9月10日 06:00 ]

 半世紀ぶりに東京での開催が決まった2020年五輪。7月24日~8月9日の開催が予定されているが、この時期は一年で最も気温が高く、今年は東京でも最高気温35度以上の猛暑日を記録した。地球温暖化などの影響で7年後にはさらに酷暑になることも予想され、専門家は「史上最も暑い五輪になる」と指摘している。

 気象予報士の森田正光氏によると、64年五輪は暑い時期や台風、秋雨のシーズンを避け、10月10~24日に実施。開会式の日は晴れ渡り、期間中の気温は16~20度とスポーツに最適だったという。

 これに対し、近年の夏季五輪は欧州のバカンスシーズンや米国のプロスポーツで大きな大会がない7~8月に開催され、暑さが大敵となる場合が多い。

 気温が高い地域で開催された過去の夏季五輪では、炎天下で最高気温約40度だった04年のギリシャ・アテネ五輪が7~8月の平均最高気温が32度程度で東京と同じだが、最低は22度、湿度は20%程度のため過ごしやすい。一方、東京は最低気温が26度、湿度が60%を超えて蒸し暑く、森田氏は「過酷な暑さの中での競技となり、選手にとっては暑さとの戦いになることは確実」と指摘した。

 今年の日本列島は、8月12日に高知県四万十市で国内観測史上最高の41・0度を観測するなど記録的な猛暑となった。東京都心でも8月11日に最高気温38・3度を記録したのを含めて猛暑日が計13日あり、年間猛暑日数は気象庁が61年に統計を開始してから、95年、2010年と並ぶ過去最多タイ記録。64年は1日しかなく、年々増加傾向にある。

 地球温暖化の影響などで気温はさらに高くなることが予想され、森田氏は「20年五輪は史上最も暑い五輪になるでしょう」と指摘。さらに「温暖化が進むと、豪雨や雷雨も増える恐れがあり、競技への影響も心配される」と話した。

 環境省が呼び掛ける熱中症予防情報では、気温35度以上の場合は「運動は原則中止」。マラソンなど屋外競技の場合、アスファルトの照り返しで地表の温度は50度近くになるといい、森田氏は「選手だけでなく、観客も熱中症に注意が必要になる。気温が上がり始める午前9時までに競技を終わらせたり、夕方6時以降から競技を始めるなど、日程を組む際に工夫が必要」と指摘した。

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2013年9月10日のニュース