×

永井 驚速弾!英1部ウェストハムが獲得へ“興味”

[ 2012年7月31日 06:00 ]

モロッコに勝利し笑顔を見せる永井

ロンドン五輪男子1次リーグD組 日本1-0モロッコ

(7月29日 ニューカッスル)
 関塚ジャパンが8強入りだ!男子の日本は29日、1次リーグD組の第2戦でモロッコを1―0で破り、2連勝で勝ち点を6に伸ばし、00年シドニー五輪のトルシエジャパン以来、3大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を決めた。0―0の後半39分、FW永井謙佑(23=名古屋)が技ありのループシュートで均衡を破り、そのまま逃げ切った。1位通過を目指し、8月1日にホンジュラスと対戦する。
【試合結果 男子1次リーグD組】

 決勝トーナメントにつながるゴールはスピードスターが奪った。後半39分、清武が浮き球のパスを左サイドに蹴り込むと、永井は50メートル5秒8の俊足を飛ばして相手DFをかわした。飛び出してきた相手GKよりも早く追いつき右足アウトサイドでループシュート。「GKが出てきたのは見えていた。先に触れる自信はあった」。ボールはワンバウンドして無人のゴールに吸い込まれた。

 26日のスペイン戦では再三ゴールチャンスがありながら決められなかった。「1点は1点。そういうゴールを決められてプラスになる。きょうこそ決めてやるという強い気持ちを持っていた」。この日は仕事でブラジルに住む両親が駆け付け、昨年9月に結婚した綾香夫人と兄も観戦していた。ゴール直後は看板に飛び乗りガッツポーズ。喜びを爆発させた。

 第1戦でスペインを撃破したことで関塚ジャパンの注目度は増し、この日はイングランドのプレミアリーグ17クラブの関係者が大挙して視察に訪れた。中でも永井にご執心だったのが、若手の発掘と育成に定評があるウェストハムのスカウトだった。「速さが魅力的でオフザボール(ボールがない場面)の動きも秀逸。スルーパスが来ると感じるとDFの背後に飛び出すタイミングがいい」と絶賛。さらに「彼の成長過程に興味を持っている」と獲得の可能性まで示唆した。

 関塚ジャパンの立ち上げからエースとして活躍し、10年アジア大会では5ゴールで得点王を獲得した。だが、所属の名古屋で出場機会を得られずにコンディションを落とし、五輪アジア最終予選では先発落ちも味わった。「外れて苦しかった。でも本大会に出ることが目標だったので、めげずにやってきた」。ライバルを問われると、本気で「ボルト」と世界最速スプリンターの名を挙げる男は、腐らずに夢中でボールを追いかけ続けたことで、再び脚光を浴びる場所に戻ってきた。そして最大の武器がスピードであることを実証した。

 8月1日の次戦は1位通過を懸けたホンジュラス戦。2位なら準々決勝でブラジルと対戦する可能性が高くなるが、それを避けられれば準決勝、さらには44年ぶりのメダルも見えてくる。「しっかり切り替えて次の試合に向けて準備したい」。輝きを取り戻したエースがアクセル全開でばく進する。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月31日のニュース