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6位で決勝進出も…理恵「悔しいっ」五輪デビュー

[ 2012年7月31日 06:00 ]

跳馬の着地で倒れる田中

ロンドン五輪 体操女子団体総合予選

 悔しい五輪デビューだ。29日の女子予選で日本は合計170・196点で6位に入り、31日の団体総合決勝に進出。初めて夢舞台に立ったエースの田中理恵(25=日体大研究員)は、跳馬で尻もちをつくなど満点の演技ではなかったが、54・333点で個人総合でも23番目で決勝に進んだ。寺本明日香(16=レジックスポーツ)が57・865点のハイスコアをマークしチームをけん引。個人総合でも7番目で決勝進出を決めた。

 いつもの爽やかなスマイルじゃない。田中が浮かべていた笑みは、どこかひきつっていた。「凄くキラキラしてる世界」と感じた初の夢舞台。全4種目で演技し、段違い平行棒以外の3種目でミスが出た。「無理やり、笑ってますね。クッソ。悔しいっ。やばっ」というコメントに、エースの心境が凝縮されていた。

 平均台で大きくバランスを崩し落下寸前のミス。ピンクパンサーの音楽を使った得意の床運動では大観衆から手拍子が起きたが、リズムに乗りきれない。「音楽に踊りがついていってなくて、申し訳なかった」。最終種目の跳馬では、演技前に父・章二さんから「さあ、理恵、ガンバ!」という大きな声が飛んだ。気合十分で踏み切ったが、着地で尻もちをつき顔をしかめて舌をペロっと出した。

 28日の男子予選は選手村のテレビで観戦。兄・和仁、弟・佑典のまさかのミスや、大エース・内村が苦しんでいるのを目に焼き付けた。「五輪って分からないなと思った。思い切ってやらないといけない」。頭では理解していても、自分の演技がスタートすると体を制御できなかった。「動きが早くなってしまった。自分らしさがなくなっていた」と振り返った。

 チーム最年少・寺本の奮闘もあり、団体総合は6位で予選通過。個人総合でも、田中は23番目で決勝に進んだ。「マジっすか。(個人総合は)もうダメだと思っていた。でも、まずは団体の決勝。団体でしっかりできたら個人総合もうまくいく」。体操界ではベテランの25歳にとって、最初で最後の五輪。チームのため、自分のために、田中がエレガントに舞う。

 ▼体操の予選 12チームが参加する団体総合は5選手の中から各種目4人が演技し、上位3人の得点を合計する「5―4―3制」で行われる。上位8チームが進出する決勝には、予選の得点は持ち越さない。決勝では5人中、各種目3人が演技し、その全ての得点を合計する「5―3―3制」で行われる。個人総合は上位24人、種目別は上位8人(いずれも各国・地域最大2人)が決勝に進む。

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2012年7月31日のニュース