【ジャパンC】ギニョール“独”り舞台演じる!逃げてG1連勝中

[ 2017年11月22日 05:30 ]

ダートコースで元気いっぱいのギニョール
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 ドイツの刺客がキタサンブラックの“主役”を奪う!?競馬の祭典「第37回ジャパンC」は4頭の外国馬が参戦。ドイツ馬ギニョールは日本滞在中に調教を付けるミヒャエル・カデドゥ騎手(30)が母国イタリアでは俳優を兼業する“二足のわらじ”の変わり種。近2走は逃げてG1・2連勝。戦法面からもブラックとの兼ね合いが大いに注目される。また、オーストラリアのブームタイムは21日、東京競馬場芝コースで最終追い。軽快な動きで順調をアピールした。

 ドイツから参戦するギニョールの馬上には、やけににこやかな笑みを浮かべる男性。「オハヨウゴザイマス」と、覚えたての日本語で報道陣に愛嬌(あいきょう)を振りまいている。前日20日に千葉県白井市の競馬学校から東京競馬場に移動。この日初めて東京競馬場での調整とあって、やや戸惑うそぶりを見せていたが、巧みに馬場へとエスコート。涼しい顔でダートコースを周回してみせた。

 調整を終え、報道陣の前に現れた、その端正な顔の男。名はミヒャエル・カデドゥ。肩書は調教助手ではなく、実は騎手。ギニョールのG1初制覇となった昨年のバイエルン大賞で騎乗していた、れっきとしたG1ジョッキーだ。さらに驚くべきは、カデドゥは母国イタリアで俳優としても活躍していること。子役時代からテレビドラマや近年は映画にも出演。10年ほど前にイタリアで大ヒットした国民的テレビドラマ「Un medico in famiglia」にも出演。JRAでは10年にデビューした菅原隆一が「釣りバカ日誌」で鯉太郎役を演じていたことが話題となったが、こちらはバリバリの現役。「騎手と俳優は両方、ポーカーフェースでいなければならないところが似ている。今でも依頼が来れば出演しますよ」と笑顔でアピールした。

 ミラノで生まれローマで育ったカデドゥは父ピエトロさんがイタリアの障害騎手だったこともあり、幼い頃から馬に乗り親しんできた。同じく父が騎手だったM・デムーロ、C・デムーロとは幼なじみ。08年にイタリアでプロデビューして14年からは拠点をドイツへ移した。ジャパンCの後はカタールで騎乗する予定になっている。

 レースは主戦のミナリクが手綱を取るため、“裏方”として本番までのサポート役に徹する。「成績が示す通り、左回りは合っています。スピードがある馬なので、やはりこの馬のスタイルで競馬をするのが理想。勝ちたいね」。二刀流ジョッキーが仕上げるドイツからの刺客が、キタサンブラックから主役の座を奪う激走を見せてくれるかもしれない。

 ◆ミヒャエル・カデドゥ 1987年4月30日、イタリア・ミラノ生まれ、ローマ育ちの30歳。父親はイタリアの障害騎手。家族は妻と犬2匹。08年、イタリアでデビューして14年にドイツに拠点を移す。ギニョールに騎乗した昨年バイエルン大賞でG1初制覇。

 ▽ギニョール(Guignol)1800年代初頭にフランスで作られた指人形芝居の主人公の名前。現在では指人形によって演じられるフランスの人形芝居の総称となっている。

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