【朝日杯FS】サトノアレスがV!藤沢和師は中央G1・24勝目

[ 2016年12月19日 05:30 ]

<阪神11R・朝日杯FS>サトノアレスと記念写真に納まる四位洋文騎手(右から3人目)ら関係者
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 2歳頂上決定戦「第68回朝日杯FS」が18日、阪神競馬場で行われた。6番人気サトノアレスが剛脚を繰り出して3連勝。1週間前にソウルスターリングで阪神JFを制した藤沢和雄師(65)は、史上初の同一年2歳G1完全制覇の快挙を達成。また、この勝利でJRA・G1通算24勝目となり、角居勝彦師(52)を抜いて単独トップに立った。1番人気に支持された牝馬ミスエルテは、はじけず4着に終わった。

 仁川が2週連続の藤沢旋風に沸いた。1週前、阪神JFをソウルスターリングが制したばかりの藤沢和厩舎が送り込んだサトノアレス。後方でリズム良く折り合うと、4角で馬なりのまま進出。抜群の手応えだ。「これなら、はじけてくれる」と初コンビの四位。右ムチを1発、2発、3発。残り100メートルすぎ、逃げ粘るボンセルヴィーソをかわして先頭へ。すぐさま外からモンドキャンノが迫ったが、負けじと懸命に四肢を伸ばす。モンドを半馬身振り切ったところで、栄光のゴールに飛び込んだ。

 ニッコリと笑みをたたえて愛馬を出迎えた藤沢和師。里見治オーナーとガッチリ握手を交わすと、思わず「凄い。強いね」の言葉が口を突いた。朝日杯は95年バブルガムフェロー以来21年ぶり2勝目。「初めての関西への輸送だったけど落ち着いていて体も増えていた。余裕を持って見ていられたね。相手が強くなったが、想像以上の内容」と手放しで喜んだ。

 同一年の2歳G1制覇は史上初の快挙。さらに、G1通算24勝目となり角居師を抜き歴代単独トップに躍り出た。Wでの偉業達成となったが、トレーナーは「来年、また応援してもらえるようにしたい。今日は遠くから応援しに来てくれた人の期待にも応えられてよかったよ」とサラリとかわした。

 快挙をアシストした四位は開口一番「うれしい、泣きそう」。G1勝利はキンシャサノキセキで制した10年高松宮記念以来、6年9カ月ぶりとなったが、「僕は今日は何もしていない。道中じっとして4コーナーで外に出して、直線では馬が勝手に伸びてくれた」と、こちらも師と同様にパートナーの強さを称え、引き立て役に徹した。

 これだけタイトルを積み上げてきた名トレーナーだが、牡馬クラシックは未勝利。アレスについて「久しぶりにたくましい2歳が出てきたなと思った。今はマイルを上手に走るけど、もう少し長い距離を走れるようにしていきたい。折り合いは付くので大丈夫だと思う」と来春へ確かな手応え。また一つ、大きなタイトルを積み重ねた名門厩舎。ついに牡馬クラシックに手が届く瞬間が、近づいている。

 ◆サトノアレス 父ディープインパクト 母サトノアマゾネス(母の父デインヒル)牡2歳 馬主・里見治氏 美浦・藤沢和厩舎所属 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金9134万7000円。

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