【有馬記念】新時代の主役に!政権交代目指すサトノダイヤモンド

[ 2016年12月19日 05:30 ]

坂路で調整するサトノダイヤモンド
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 暮れの国民的競馬イベント「第61回有馬記念」まであと6日。18日日曜のまだ日も明けやらぬ時間に、静かに有馬ウイークを始動したのが菊花賞馬サトノダイヤモンド(牡3=池江)だ。栗東坂路で力強いフットワークを見せ、調整は順調そのもの。古馬と初対決の今回、今年G1・2勝の先輩菊花賞馬キタサンブラックと激突。キタサン政権が続くか、サトノダイヤモンドが新時代の主役を担うか…。クリスマス決戦に注目だ。

 サトノダイヤモンドが新時代を切り開くか、歴戦の古馬に屈するか、重要な一戦が始まろうとしている。開門直後の午前3時半、坂路を単走で駆け上がった。気温1度。いてつく空気を切り裂くように力強い脚取りで駆け上がっていく。上がり重点で4F56秒0。残り2Fで鞍上が仕掛けると瞬時に反応し、馬場のど真ん中をグングンと加速。ラスト1Fは馬なりで流し12秒8でフィニッシュ。稽古を見守った池江師も満足そうに振り返る。

 「テンは15〜15(1F15秒程度のスピード)で入って、しまいは13秒ほどで流す指示。予定通りの調整ができて、動きも良かったね」

 前走の菊花賞を制覇した後も、放牧先でも緩めずしっかりと乗り込まれ今月2日に栗東トレセンに帰厩した。14日のCWコース追いでは6F80秒8〜1F11秒8。全身を使ったバネのある身のこなしで、併走馬を並ぶ間もなく突き放す圧巻の内容だった。

 「成長している。全てにおいて総合点が高い」

 幾多の名馬を送り出したトレーナーが舌を巻くほどの動きだった。

 デビュー3連勝で臨んだ春のクラシックは皐月賞3着、日本ダービー2着と惜敗続き。しかし無冠返上へ、全身全霊を注いで臨んだ菊花賞が桁違いの競馬だった。道中は中団で折り合いをつけると、ロスのない完璧な立ち回り。ラスト1Fで抜け出し、2着レインボーラインに2馬身半差をつけて悠々とゴールを駆け抜けた。未知の3000メートルをいとも簡単に攻略。「強い馬が勝つ」。菊花賞の格言通りの走りだった。

 今回が古馬との初対戦。“挑戦者”の立場となるが、輝きを増した今のダイヤモンドに気後れは一切ない。兼武助手は「体質面も強くなってきた。器用な走りで中山も対応できると思う」と手応えをにじませている。

 86年のグレード制導入後、有馬記念で最も勝ち星を挙げているのは3歳馬。古くはオグリキャップ(88年)、ナリタブライアン(94年)、近年ではゴールドシップ(12年)がおり、厩舎の先輩オルフェーヴルも11年に制している。まさに名馬の登竜門。勝てば「サトノダイヤモンド時代」の幕開けとなる。

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2016年12月19日のニュース