【朝日杯FS】まるで賢弟愚兄!?兄を圧倒したサトノアレス

[ 2016年12月15日 05:30 ]

Wコース併せ馬で追い切られたサトノアレス(手前)
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 【G1ドキュメント=14日】「賢弟愚兄」の故事は馬の世界にも当てはまる。サトノアレスは全兄サトノフェラーリ(5歳1000万)と一緒にWコース入り。兄の2馬身後ろから覇気のこもったストライドを伸ばしていく。直線では楽に並びかけた。3歳上の兄を子供扱いするように馬なりで1馬身突き放してのゴール。兄弟の併せ馬は弟が圧倒した。

 「馬券でやられたからって愚兄扱いはひどいよね。兄ちゃんだって頑張ってるんだから」。藤沢和師はサトノフェラーリで懐に深手を負った梅崎の悪口をかわすが、賢弟の評価に異存はない。「追い切りは弟の方が速かった。反応もいい。兄とは動きが違うし、体質も気性もこちら(弟)の方が強い。ゆったり折り合っていける」と語ると、前走・ベゴニア賞で騎乗したムーアの感想を伝えた。「(サトノアレスも)チャラ男かと思っていたら“いや、凄くいい馬だ。いいところまでいく”って言うんだ。確かに、しまいの脚は桁違いだった」。ムーアが口にした“いいところ”とはグレードの付くところだろう。

 長老・梅崎がアレスの単勝馬券でしこたま負けて「愚弟愚兄」と悪態をついたのはデビュー2戦目(2着)。「その後から尻上がりに良くなってきたんだよ。当時とは走っている格好が全然違うから」(同師)と言う。2連勝で迎える大一番。ベゴニア賞の勝ち馬は12年ロゴタイプ、14年ダノンプラチナと2年ごとに朝日杯FSを優勝している。今年は勝つ番か。同じ札幌デビューのソウルスターリング(阪神JF優勝)に続けば、史上初の同一厩舎2歳牡牝G1ダブル制覇となる。「G1で相手が強くなるが、長距離輸送は全く心配ない。カイバもモリモリ食べるから」(同師)。頼もしい賢弟に◎。梅崎の本命は枠順を待たずに決まった。

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2016年12月15日のニュース