マカヒキ凱旋門賞出走へ 13年キズナ以来ダービー馬3歳挑戦

[ 2016年6月10日 05:30 ]

5月29日、ダービーを制したマカヒキ(右)

 海を渡って欧州最高峰の舞台へ。先月29日の日本ダービーを制したマカヒキ(牡3=友道)の凱旋門賞(10月2日、シャンティイ)参戦が決定。9日、友道師が発表した。これまで日本馬は2着が最高着順で未勝利。日本のホースマンにとって悲願とも言えるフランス伝統の一戦で歴史的偉業を狙っていく。

 堂々と世界へ挑戦状を叩きつける。今年の日本ダービー馬マカヒキの凱旋門賞出走が決定。管理する友道師が9日、その経緯と展望について話した。

 「先週の水曜日にオーナーの方から電話があって、その方向でいきましょうとなった」

 ダービー後のダメージもなく順調に来ている。「今は(ノーザンファーム)天栄にいて、来週くらいから乗り始める予定。7月中に栗東へ戻して、9月あたりに向こうへと考えています」とまずは日本でのプランについて明かした。

 海外へ渡ってからはステップレースを踏み本番へ。その候補に挙がっているのが凱旋門賞と同じ2400メートルのG2ニエル賞(9月11日、シャンティイ)。13年に同年の日本ダービーを制したキズナがここを勝って本番へ進んでおり、このローテが最有力となる。

 「ぶっつけだとダービーから5カ月たつし、使いつつ良くなる馬。本番前に使うのはニエル賞あたりかなと思う。騎手は前哨戦から現地の外国人ジョッキーを予定してます」

 現時点で同厩舎から帯同馬が行く予定はなく「現地では小林君の所にお世話になろうと考えています」。日本人で初めてフランスで調教師免許を取得した小林智師の下、戴冠を目指す。

 「今回は舞台が起伏の少ないシャンティイに替わるし斤量面でも有利。この馬は初めての所でも落ち着いている。環境に動じないし、精神的に安定しているのが強み。スピード一辺倒でもないし、パワーもあるので合っていると思います」

 ロンシャン競馬場が改修工事に入り、今回はシャンティイで開催される。長距離輸送に負けない強じんなメンタル。世界の強豪に負けないパワー。近年まれに見るハイレベルのダービーを制したマカヒキが日本競馬の歴史を変えることができるか。このレースから日本で海外競馬の馬券も売られる予定。手に汗握る秋の夜長が今から待ち遠しい。

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2016年6月10日のニュース