【日本ダービー】里見オーナー「ダイヤモンドは欠点ない。No.1」

[ 2016年5月25日 05:30 ]

サトノダイヤモンドの写真を手にする里見オーナー(左)と“元祖女馬券師”諸星

 競馬の祭典「第83回日本ダービー」にV候補の一角サトノダイヤモンド(牡=池江)を送り込む里見治オーナー(74)。「サトノ」の冠名で知られ、日本のエンターテインメント業界をリードする「セガサミーホールディングス」を率いる名物オーナーにスポニチ特別編集委員として鋭い予想を披露する諸星由美が突撃取材。競馬界に幅広い人脈を誇る女馬券師が、その胸の内に迫り混戦ダービーに早くも決断を下した。

【日本ダービー】

 昨年のダービーにサトノラーゼン、サトノクラウンの2頭出しで臨んだ里見氏。結果はラーゼンが2着、クラウン3着と善戦したが、2冠を獲得したドゥラメンテには及ばなかった。

 「ダービーで2、3着だから、うれしくないわけじゃない。でも、残念という気持ちが強かった。ダービーの壁は高い。一度しかチャンスがないクラシックで、頂点に立つのは本当に難しいことだと思った」

 だが、東京競馬場の馬主席で並んで観戦していた私(諸星)は、すぐに気持ちを切り替え「来年があるから」と里見氏が口にした馬の名前が頭から離れない。それがサトノダイヤモンド。13年セレクトセール当歳セリで2億3000万円(税抜き)の高値で落札した。

 「セリの2カ月前くらいに話があって、40日前に牧場へ馬を見に行った。一緒に行った池江親子(泰郎氏=スポニチ本紙評論家、泰寿師)も薦めてくれたし、何より姿形、バランス、顔つきと全てが素晴らしかった。この馬だけは買おうと決めた」

 馬名は顔の中央にキラリと輝くダイヤ形の流星から。美恵子夫人が命名した。

 「流星を気に入った女房がセリの前から“買えたらダイヤモンドね”と(笑い)。値段は思った以上に高くなってしまいましたが…」

 オーナーの期待を背負ってデビューしたダイヤモンドは無傷の3連勝。だが1番人気で挑んだ皐月賞は3着に敗れた。「きさらぎ賞から間隔が空いていたし、レースもトップスピードに乗りかけたところで、外に張られる不利もあった。ただ、調教師もデビュー前から“ダービー目標”とは言い続けているが“皐月賞”と言ったことは一度もなかった。目標を絞り込んで、ローテも含めて逆算して調整してくれている。もちろん私もダービーを意識して買った馬ですから」

 愛馬の素質にほれ込んでいる里見氏。今年のダービーに懸ける思いを率直に語った。

 「性格、馬体、反応。どれも欠点がないのが逆に心配なくらい。自分で買ってきた馬の中でもNo・1といっていい。ただ、馬主になって20年以上たつが、まだG1を勝てていない。あとから馬主になった人がどんどん勝っていくから、自分には馬運がないのかな…と。ビジネスなら成功も失敗も含めて自分の力で何とかなるが、競馬はそうはいかない。でも、やはり期待は大きいし、かなりの確率で好走してくれると信じている。夢ですからね。勝ちたいですよ」

 里見氏の勝負服は緑地の胸に黄色のダイヤ(ひし形)がデザインされている。まるで、この馬の登場を待っていたかのように。数々のビジネスチャンスをものにして、世界有数のエンターテインメント企業を築き上げた里見氏なら、初G1がダービーでも驚かない。もちろん私も馬の素質にほれ込んでいる。ダイヤモンドは女性にとっての永遠の憧れ。今年のダービーの本命は決まりました。私の夢もかなえてくださいね、里見さん。

 ◆里見 治(さとみ・はじめ)1942年(昭17)1月16日、群馬県出身の74歳。実家が経営していた食品メーカーの新規事業を開拓。80年、関連企業だったサミー工業(現サミー)社長就任。パチンコ、パチスロ機の開発、販売を手掛け業界屈指の大手へと成長させた。04年、大手ゲーム機メーカーのセガと経営統合。セガサミーホールディングスを設立し代表取締役会長兼社長に就任。

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