【日本ダービー】ダイヤモンド100点 ダービー向きのゆったり体形

[ 2016年5月25日 05:30 ]

皐月賞“4強”の中でも一歩抜きんでた馬体のサトノダイヤモンド

 経験はサラブレッドを急成長させます。サトノダイヤモンドの立ち姿に表れているのは皐月賞からの如実な変化。だらりと下がっていた尾の位置が高くなっています。緊張している時に見せるしぐさです。顔つきにも鋭さが増し、緊張感を漂わせている。皐月賞時の馬体診断では「立ち姿に鋭さがない。ゆったりとリラックスして立っているだけ」と書きましたが、それからわずか1カ月半の間に見違えるほど変わった。

 立ち姿がピリッとしてきたのは皐月賞で初めてきつい競馬を経験したからでしょう。それまで少頭数の楽な競馬ばかりで、のほほんとしていた馬の気持ちに火が付いたようです。精神的にひと皮むけたのと同時に馬体にも少し変化が生じています。ボルトのネジを総仕上げにキュッと締めるように、腹周りが引き締まっています。

 元々ダービー向きのゆったりとした体形です。胴が長く、全体に遊びがある。頭から尾の先まで全ての部位がバランス良くつながっています。飛節はトモのパワーを余すところなく推進力に変えられる大きさと絶妙な角度。皐月賞時に巻いていた前肢のバンデージを取り去って撮影に臨みました。管囲(膝と球節の中間の周囲)が少しだけ短いが、奇麗な前肢をしている。大一番へ一点の曇りもない状態です。皐月賞“4強”の中でも一歩抜きんでた馬体。経験を糧にしたサラブレッドの理想像がここにあります。

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2016年5月25日のニュース