【有馬記念】ダービーフィズ強運滑り込み!坂路3番時計53秒3

[ 2015年12月24日 05:30 ]

坂路を併せ馬で追い切るダービーフィズ(左)

 ジャパンCを勝ったショウナンパンドラは追い切り後に無念の出走回避。繰り上がり出走となったダービーフィズが美浦坂路で猛時計をマーク。強運を生かした激走ムードが漂ってきた。

 一度は背中を向けたグランプリの女神が笑顔で振り向いた。「うちのが本当に出られるのか!?」。ダービーフィズを管理する小島太師の声が厩舎の中から聞こえてくる。トーセンレーヴのまさかの連闘で出走枠から滑り落ちながら、ショウナンパンドラの回避で再び手中に戻った有馬切符。「パンドラ陣営の落胆を考えれば喜べないが、備えだけは万全にしている。除外を覚悟の上で、けさの追い切りでも気合を乗せておいた」

 同師のもとに繰り上がりの一報が届く3時間前の午前7時。タービーフィズは坂路で猛調教を敢行した。稽古駆けするフォワードカフェ(3歳1000万)と火の出るような併せ馬。ステッキを受けると、しぶとく食い下がった。4F53秒3はこの日の坂路調教馬延べ1662頭中、3番目のタイム。「具合はいいぞ。強い相手と戦いながら体が増えてきた。5歳馬とは思えない成長ぶりだ」と同師が語るように、馬体重も函館記念の448キロから札幌記念450キロ、天皇賞・秋466キロ、JC468キロと右肩上がり。担当の小島良助手も「反動がないから使い込める。昨年とは別馬のようにタフになった」と言う。

 JC9着は1コーナーで致命的な不利を受けたのが敗因。他馬と接触してバランスを大きく崩した。「あの不利がなければ、掲示板(5着以内)はあったはずだ」。レースVTRを擦り切れるほど見直した小島太師は唇をかみしめる。「ファイトする時間が短いタイプ。直線の長い東京では乗り難しいが(直線の短い)中山なら…」と同助手。除外を承知で猛調教を課したのも中山の大一番に懸ける執念。願いは通じた。グランプリの女神が土壇場でほほ笑んだ。

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2015年12月24日のニュース