【有馬記念】ゴールド、スイッチ入った!内田「不安は一つもない」

[ 2015年12月24日 05:30 ]

内田を背に、坂路でレッドヴェルサス(右)と併せたゴールドシップ

 今回がラストランとなるゴールドシップは内田を背に坂路の併せ馬で1馬身先着。気持ちのスイッチが入った元気の良さを見せつけて陣営も納得の表情だ。

 暴れん坊のゴールドシップが帰ってきた。周囲にピリピリした空気が漂う。17日から須貝厩舎はスタッフ以外立ち入り禁止。「マスコミの皆さんには申し訳ないけど、シップが戦闘モードになっているから、静かにしてほしいんだ」と須貝師。なるほど、それも納得のこの日の最終追い。シップはうなっていた。

 先週に続き、内田を背に坂路へ。先導役を務める僚馬レッドヴェルサス(2歳未勝利)との差は2馬身あったが、あっという間に詰まる。中間の2Fは併走で我慢したが、ラスト1Fは抑え切れない感じで前へ。前進気勢を前面に出しながら、1馬身ほど先着して“最後の追い切り”を終えた。内田は「不安は一つもない」と断言した。

 「いい状態で迎えられると思います。常識にかからないレースをするし、前走がどうのこうのという馬でもない。破天荒で強いゴールドシップを見せられれば」

 2年ぶりの手綱となった1週前追い切りの後、「もう少し気の悪いところを出しても、と思ったけれど…」と内田はけげんそうだった。しかし、この日は実に晴れやか。いい意味で“らしい”うるささが戻ってきたからだ。「立ち上がりそうになったのは上から押さえたけどね。先週よりうるさくなっていた。うるさくて元気なのはいいことだよ」とにっこり。逍遥(しょうよう)馬道で他馬を威嚇したり、ジャンプしそうになったり。ピリッとした雰囲気を喜んだ。

 追い切り後の上がり運動を終え、今浪厩務員は苦笑いを浮かべながら、汗を拭った。しかしどことなくうれしそう。そう、このベテラン厩務員をクタクタにしてしまってこそ“白い怪物”は本物なのだ。見つめる須貝師も「メチャクチャいい動き。シップらしいしぐさを見せて元気いっぱいだし、気持ちのスイッチも入った」とご満悦。復活を確信しているかの口ぶりだ。

 心身ともに素晴らしいコンディションに仕上がった。人馬一体の魂がこもった走りで、有終の美を飾ってみせる。

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