【天皇賞・春】波乱呼ぶ“暴れん坊将軍”ホッコーブレーヴ

[ 2014年5月1日 05:30 ]

単走で追い切るホッコーブレーヴ

 【G1ドキュメント=30日】調教スタンドから双眼鏡で管理馬の動きを追う松永康師の表情がみるみるうちに緩んでいく。「前回が80点なら今度は100点満点。休み明けをひと叩きして絶好調といっていい」。その視線の先ではホッコーブレーヴが“暴れん坊将軍””のニックネームにふさわしいフットワークを繰り出した。

 調教が終盤に入った午前9時半。誰もいないポリトラックコースに馬場入りすると、原田(レースは田辺)を背に荒ぶる闘志を内に秘めながらペースを上げていく。直線では張りに満ちた後肢に力がみなぎった。馬なりのままラスト1F12秒3。引き揚げてくると、首を激しく振って、闘志を全身から発散させた。

 「追い切り後も気を抜けない馬だからちょっと待っててください」。梅崎の取材を中断してホッコーブレーヴに帯同した松永康師。10数分後、スタンドに戻ってくると、苦笑いしながら明かした。「尻っ跳ねしたり、立ち上がったり…。普段はたいへんな暴れん坊でね。他の馬に乗っかかっていくこともあった。だから他馬の調教が終わる頃に馬場入りさせているんだ」

 そんな荒ぶる気性を直線での闘争心に転化したのは前走・日経賞。後方から大外を回って2着まで差を詰めた。「左回りの方が伸びるから東京を中心に出走させてきたが、右回りの中山であれだけの脚を使えたのは大きな収穫。強敵相手でも太刀打ちできる力はある」(同師)。悍馬(かんば)に名馬の相あり。盾決戦に波乱を起こす暴れん坊将軍だ。

続きを表示

2014年5月1日のニュース