【菊花賞】テイエムイナズマ 折り合いクリア、堂々4馬身先着

[ 2013年10月17日 06:00 ]

テイエムイナズマはパートナーの幸を背にラスト12秒5の末脚を繰り出した

 雨を切り裂いて、イナズマがさく裂した。クラシック最終戦「菊花賞」(20日、京都)の追い切りが16日、栗東、美浦トレセンで行われ、末脚自慢のテイエムイナズマが栗東坂路で圧巻の4馬身先着。鞍上の幸英明(37)も太鼓判を押す仕上がりの良さだ。他の出走確定馬16頭は、17日、東西トレセンで一斉に追い切る。

【菊花賞】

 ひと夏越しての成長をあらためて証明した。全休日明けとなった栗東トレセン。西の菊花賞出走確定馬で、ただ一頭追い切られたテイエムイナズマが力強い動きを披露した。最大の課題の折り合い面を意識して、序盤は僚馬シャイニークラウン(4歳500万)を壁にして我慢、ひたすら我慢。ラスト300メートルで鞍上・幸が左に持ち出すと、視界の開けたイナズマは待ってましたとばかりに瞬時に加速。体を大きく使ったフォームで堂々の4馬身先着だ。幸は状態、折り合いの両面で好感触を口にした。

 「抑えるのにちょっと苦労したが、坂路ではコースより気合が乗るから問題ない。精神面が成長しているし、この感じならレースでも折り合いは問題ないだろう。状態もいい」

 時計は最初の1Fから順番に14秒5、13秒8、12秒9、そしてラスト1Fが12秒5と尻上がり。全体時計53秒7も馬場を考慮すれば上々だが、それ以上にしっかり折り合って、末を伸ばした点を主戦は評価する。

 「もともと能力の高い馬。ダービーでは1、2角でぶつけられてハミをかんだ。それでも外から伸びたし、力負けとは思っていない」

 この馬で何とか結果を出したいという強い思いがある。今春から主戦に指名されながら、アーリントンC(7着)と皐月賞(6着)は騎乗停止。神戸新聞杯(8着)はケガで騎乗できなかった。「この馬に関してはいろいろあった…。今回は騎乗停止もないし大丈夫」。苦笑いを浮かべ、こう続けた。「京都には実績がある。距離に適性があるとは言えないが、折り合いがつけば大丈夫だろう。うまく前に壁をつくって競馬をして、あとは流れ次第」

 決して3000メートルが合う馬ではない。しかし全ての条件がかみ合った時、主役になれる爆発力を秘めた1頭であることは間違いない。

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