【ヴィクトリアM】ヴィルシーナ、Vいいな!“万年準ミス”返上へ

[ 2013年5月9日 06:00 ]

ヴィクトリアMこそ悲願を果たしたいヴィルシーナ(左)は坂路で気持ちの入った走り

 栗東では銀メダル4度のヴィルシーナが坂路で先着と好調ぶりを見せつけた。

 「金がいいです~」の名言を残したのは00年シドニー五輪、水泳女子400メートル個人メドレーで2位だった田島寧子氏。ヴィルシーナも同じ思いだろう。G1・2着が4度。心から立ちたい表彰台のてっぺん。気合のこもった追い切りを披露した。

 坂路でアドマイヤバラード(古馬500万)を追走した。ジワッと迫って鼻面を並べたが、馬は冷静そのもの。気合を内にため込むように首をグッと下げ、最後に半馬身抜け出した。4F53秒9~1F13秒0。既にウッドチップが踏み荒らされた時間帯。それを考慮すれば十分な時計だ。

 「昨年は1年を通して安定した戦歴を残したが、不完全燃焼でもあった。1つ、大きなタイトルを獲らせてやりたい」と友道師。「不完全燃焼」という言葉が重く響いた。勝てる力があるのに勝たせることができない、無念でならない。そんな陣営の思い、決意が込められていた。

 何が何でも勝つために、今回はローテーションにひと工夫を凝らした。このレースの前哨戦としては阪神、中山、福島牝馬Sが一般的だが、あえて牡馬の強力メンバー相手の大阪杯を選んだ。初めて馬券対象外の着順(6着)となったが、この完敗が今回に生きると陣営はにらむ。オルフェーヴルを筆頭とした超A級メンバー相手の緊張感を味わわせ、心身ともピリッとさせたかったのだ。狙いはピタリ。「馬体の雰囲気が良くなったし、動きもスムーズ。息遣いも良くなっている」。友道師はにやりと笑った。

 元メジャーリーガーの佐々木主浩オーナーは68年2月22日、午後2時22分生まれ。背番号も22。女王杯2着時は「俺の生まれが悪かった」と運命を呪った。オーナーの無念はここで振り払う。友道師の覇気に満ちた表情が、そう伝えていた。

続きを表示

この記事のフォト

2013年5月9日のニュース