【ヴィクトリアM】ハナズゴール100点満点!余力たっぷり11秒6

[ 2013年5月9日 06:00 ]

坂路で追い切るハナズゴール

 牝馬の決戦「第8回ヴィクトリアマイル」(12日、東京)の追い切りが8日、美浦、栗東トレセンで行われた。初の頂点を狙うハナズゴールは、坂路単走で4F51秒6~1F11秒6をマーク。陣営の狙い通り、冷静に四肢を繰り出し、完璧な仕上がりを誇示した。同レースは9日、出走馬が確定する。

【ヴィクトリアM】

 ハナズゴールの追い切りには明確な意図があった。序盤からスピードに乗せて息をつくった先週(4F49秒9)とは違い、最初の1Fをゆっくり(15秒4)入った。焦らず、鞍上の指示に従えるかの確認。まずは問題なしだ。

 次はスムーズにギアを上げられるか。突然ペースが上がるレースなどいくらでもある。グッとスピードを増し12秒7。これもクリアだ。そしてラスト1F。ここはどれだけフットワークを繰り出せるかがポイント。素早く四肢が回転した。余力たっぷりに1F11秒6(4F51秒6)。1分に満たない登坂の中で、いくつもの見せ場を披露し、楽々とゴールしてみせた。

 「文句のつけようがない。100点満点。調整程度だったが、調子の良さが調教に表れた」。加藤和師は最上級の賛辞を贈った。手綱を取った加藤助手も「前走(阪神牝馬S4着)とは手応え、体、雰囲気が全く違う」。最高の地点まで到達できたと陣営は感じている。

 昨年のチューリップ賞でエピセアローム、ジョワドヴィーヴル、ジェンティルドンナを一蹴。すさまじい切れ味で、一時は「桜花賞は決まった」との声も上がった。だが、その後は力を発揮できない事態が続いた。桜花賞を外傷で回避。札幌記念では函館からの前日輸送でカイバを全く食べなくなり4着。ローズSは腸炎で取り消した。

 昨年暮れから、ようやく歯車が合い始めた。リゲルSで9カ月ぶりの白星。続く京都牝馬Sではインからきっちりと伸び切って重賞2勝目をゲット。前走・阪神牝馬Sは4着に終わったが敗因はある。良馬場ながら降雨の影響でパンパンの馬場ではなかったこと。そして、栗東で割り当てられた馬房がバイク、自動車が頻繁に通る道に近かったことだ。休み明けなのに4キロ減だったのも、それが理由だ。

 今回は昨年のオークス(7着)以来、約1年ぶりに美浦から臨む一戦。師は「栗東から戻ってからも落ち着いている。体は小さいが、闘志、爆発力が凄い。それをファンに見せることができれば幸せ」と語った。約420キロの体を精いっぱい躍動させ、栄光のゴールへと突き進む。

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