【ヴィクトリアM】百戦錬磨サウンドオブハートはいつも平常心

[ 2013年5月9日 06:00 ]

鋭く伸びたサウンドオブハート

 【G1ドキュメント=8日】予想印はともかく、関東記者陣の注目を集める存在がサウンドオブハート。ミスターシービー、ウィナーズサークルでダービー2勝の名伯楽・松山康師は来年2月で定年を迎える。残るG1制覇のチャンスはわずか。競馬担当になって最初に訪れた厩舎が松山康厩舎だった岡本も、もちろん応援している。

 追い切りは坂路単走で4F52秒0~1F11秒7。楽な手応えでラストは鋭く伸びた。師は「平常心でいい感じだった。前走と比べても遜色ない状態。いや、ちょっといいかな」と控えめながらも上積みを強調した。昨春の桜花賞4着後に左前トウ骨骨折が判明して戦線を離脱したが、復帰後は4戦3勝。「マイナスのない理想的な馬。こういう馬にはなかなか巡り合えない。何か運の良さが自分にあるのかと思う」。ラストイヤーに96年マイルCS(ジェニュイン)以来のG1制覇を狙える馬がいることに運命的なものを感じている。

 師にもう1つ勲章を。スタッフも熱い思いで臨むに違いないと岡本は厩舎を訪れたが、厩舎開業時から在籍しているベテランの谷上講記(こうき)厩務員(61)は「最後とか、そういう意識はないね」とサラリ。「秋には牡馬相手のG1(マイルCS)もあるから」と続けた。なるほど、確かにここで勝ち負けすれば今後の展望はさらに大きく開ける。

 師69歳、厩務員61歳。百戦錬磨の陣営の仕上げに抜かりはない。余計な気負いがないのを確認して、岡本は予想印も重くすることに決めた。

続きを表示

この記事のフォト

2013年5月9日のニュース