【天皇賞・春】2着トーセンラー 44歳同期と火花に武豊満足顔

[ 2013年4月29日 06:00 ]

 トーセンラーにとって悲願のG1制覇はならなかった。だが、武豊の表情は満足げだった。「一度も前に出ることができなかった。ただ、レースはうまくいった。明るい2着じゃないかな」。さばさばとした様子で振り返った。

 存分に力を引き出した。ハイライトは4角手前だ。スパートをかけたフェノーメノを懸命に追走した。蛯名と武豊。同じ44歳の火花散るバトル。しかし、武豊は冷静に圧倒的1番人気馬の様子も横目で確認していた。「ゴールドシップの手応えも見ていたよ」。一瞬の隙も許されない勝負どころで武豊は3度、内田の様子を確かめた。その上で、倒すべき相手はフェノーメノだと確信。後方への警戒を捨て、目の前の4歳馬だけを追いかけた。逆転はならなかったが、全力を出し切り、すがすがしく散った。

 表彰式のプレゼンターは武豊の友人、市川海老蔵だった。「エビ(蛯名)―エビ(海老蔵)だね」。レース後の武豊には、競馬学校の同期、友人と笑い合うほどの満足感があった。

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2013年4月29日のニュース