【秋華賞】ヴィルシーナゆったり“ソフト仕上げ”

[ 2012年10月12日 06:00 ]

<秋華賞>坂路、単走で追い切られるヴィルシーナ

 牝馬3冠最終戦「第17回秋華賞」の出走馬が11日、決まった。木曜追いでは桜花賞、オークスとも2着だったヴィルシーナが軽快に動いて好調をアピールした。

 逆転1冠へ準備万端。はち切れんばかりに仕上がり切った馬体のヴィルシーナに、もう強い負荷は必要なかった。最終追いは坂路単走。序盤は呼吸を整えるように1F14秒台のラップでゆったりと進む。最後の直線を迎えても、鞍上はノーアクション。馬の行く気に任せ、ラスト1F12秒8で締めくくった。全体時計の4F55秒5も含め、G1の最終調整としては物足りなく映るが、陣営にとっては計算通りのソフト仕上げ。手綱を取った竹之下(レースは内田)も「馬もスイッチが入っているし、気持ちよく走らせた。いい状態」と感触を伝えた。

 動きを見守った友道師も「反応が良かった」と笑顔。「先週、併せ馬で強い負荷を掛けているし、今週はサラッと流して状態を確認する程度。脚さばきも良かったし、出来は最高。今までで一番いい状態で出走できる」と胸を張った。前走のローズSは、オークスから18キロ増での出走だったが「全て成長分と考えている。春より背が伸びた印象だし、体全体がパワーアップしている」と話す。

 ローズSは桜花賞、オークスに続き、宿敵ジェンティルドンナの2着に甘んじたが「秋初戦としては、いい内容の競馬だった」と指揮官は評価。ジェンティルを前に見ながらの競馬だったが「内田君も本番を想定しながら乗っていたと思うし、“悲観しなくていい”と前向きなコメントももらった。京都内回りは難しい舞台だが、器用な競馬ができるので心配していない。今回も内田君に任せるだけ」と、名手の手綱に全幅の信頼を置く。

 「強い馬が1頭いる」。友道師は三度敗れているジェンティルの存在を強く意識した上で「何も心配のない状態で最後の1冠に向かうことができる。最後だけは何とかしたい」。もう銀メダルはいらない。

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2012年10月12日のニュース