【オークス】雪辱へ!ヴィルシーナ“最強”仕上げ

[ 2012年5月17日 06:00 ]

<オークス>DPコースで併せ追い切るヴィルシーナ(左端)

 「第73回オークス」の追い切りが16日、栗東、美浦トレセンで行われた。桜花賞2着の雪辱を期すヴィルシーナ(友道)はポリトラックコースで軽快な走りを見せて6F81秒4~1F11秒5。陣営が早くから最大目標に掲げてきた大一番を前に、友道康夫師(48)、内田博幸騎手(41)とも並々ならぬ手応えを示した。

 逆転のシナリオをしっかり書き上げた。会見に臨んだ友道師の一言一句は実に力強かった。「桜花賞時はまだオークスがあるという仕上げだったが、今回はここが最後という仕上げ。ずっとオークスが目標と言ってきた。いい競馬ができると思う」。言葉の端々に確かな手応えがにじんだ。

 ヴィルシーナの最終追い切りは竹之下(レースは内田)が騎乗してポリトラックで併せ馬。4頭が一列縦隊を組んだ3番手につけ、4角で前2頭の内に馬体を併せると直線で楽々と抜き去る。4番手からいっぱいに追われたサイモンロード(4歳500万)が食らいつこうとするが、寄せつけずに2馬身先着した。6F81秒4~1F11秒5。馬なりながら四肢がしっかり伸び、反応も上々。師は「先週CWコースでしっかりやったので、今週は気合を乗せる程度。追い出してからの反応も良く、満足のいく内容だった」と笑顔を浮かべた。

 ゴールドシップのダービー1週前追いに騎乗するため栗東に来ていた内田も、好感触と聞いて一安心。桜花賞はアイムユアーズを差し返したところをジェンティルドンナに強襲され半馬身差の2着だったが、「凄く乗りやすくて指示を聞いてくれる馬。距離が延びて桜花賞の差は挽回できると思う」と手応え十分だ。

 師はヴィルシーナについてデビュー当時から「オークス向き」と公言してきた。その見立ては今も全く変わらない。芝1800メートルの新馬戦を快勝。2歳500万の牝馬限定戦はマイル以下しかないため、その後2戦は牡馬相手を承知で中距離にこだわった。今年初戦にマイルのクイーンCを選んだのも「距離ではなく東京を経験させたかった」(友道師)のが最大の理由。「胴長で長距離向きの体になってきた」と期待通りの成長に目を細める。角馬場ではこの日も尻っぱねを繰り返したが、父ディープインパクトも尻っぱねが癖だった。偉大な父の遺伝子をしっかり受け継いだ。

 師は「前々から粘り込む競馬が合っている。ジョッキーもそう思っているはず」と手の内を隠そうともしない。オーナーが日米球界で守護神として活躍した佐々木主浩氏なら、奪ったリードを守り切るのはお手の物か。早め先頭からの押し切りV。シナリオ通りのタイトル獲得の可能性は十二分にあるはずだ。

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2012年5月17日のニュース