【ジャパンC】独デイン“欧州最強”末脚12秒4!

[ 2011年11月24日 06:00 ]

<ジャパンC>東京競馬場のダートコースでシュタルケ騎手を背に追い切りを行うデインドリーム

 欧州最強馬がついにベールを脱いだ。国際招待G1「第31回ジャパンC」の追い切りが行われ、今年の凱旋門賞を制したデインドリームが東京ダートコースで躍動感あふれる動きを披露。管理するペーター・シールゲン師(46)、騎乗するアンドレアス・シュタルケ騎手(37)はそろって「自信」を口にした。

 欧州最高峰G1を制した実力に偽りなし。デインドリームが、凱旋門賞馬の名に恥じない迫力あふれるフットワークで存在感を示した。最終追い切りは東京競馬場のダートコース。主戦・シュタルケを背に、まずはスタンド前をダクで脚慣らし。1コーナー過ぎからキャンターに移行し、徐々にピッチを上げていく。3角手前からさらに加速し最後の直線へ。手綱は抑えられたままだったが、ゴムまりのような躍動感でトップスピードを保ったままゴール板を通過。8Fから107秒3~1F12秒4をはじき出した。来日後の計量で428キロと小柄な牝馬だが、四肢をいっぱいに広げたダイナミックなフォームは、体の小ささを全く感じさせない。

 「馬の状態は凱旋門賞の時と変わらない。動きもとてもよかった」。手綱から伝わった好感触にシュタルケの声も弾む。シールゲン師も満足そうな笑みを浮かべて愛馬を出迎えた。「最後は少し強めにという指示だったが、調子がいいので馬の気分に任せた感じ。状態はとてもいい。ドイツにいる時と同じくらいリラックスしているよ」

 今年で31回目を迎えるジャパンCの歴史の中で、ドイツ馬の優勝は95年のランドのみ。シールゲン師は騎手時代、そのランドに騎乗経験がある。「ランドもとても強い馬だったが、硬い馬場のスペシャリストで、馬群をさばくのが苦手だったりと条件がいろいろ必要だった。でもデインドリームはどんな状況でも力を出し切ってくれる。才能という意味ではデインの方が上だろう」と分析。デインドリームの父ロミタスも現役時に騎乗しており「ハートが強いのは一緒だね。父の血をよく受け継いでいるよ」と評する。

 凱旋門賞はレコードV。高速決着への対応はもちろんだが、破った相手も超一流馬ばかり。エリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリー、G1・8勝のソーユーシンク、BCターフを完勝したセントニコラスアビーを5馬身以上突き放した価値ある1勝だ。「凱旋門賞と同じ状態で同じ走りができれば、結果はついてくる。自信はあるよ」。シールゲン師、シュタルケともに同じ言葉で締めくくった。ロンシャンの観衆の度肝を抜いた末脚が、府中の直線でもさく裂する。

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2011年11月24日のニュース