加藤シゲアキ 直木賞受賞ならず 尾崎世界観も芥川賞逃す

[ 2021年1月20日 17:13 ]

加藤シゲアキの単行本「オルタネート」
Photo By 提供写真

 第164回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は宇佐見りん氏(21)の「推し、燃ゆ」に、直木賞は西條奈加氏(56)「心淋し川」に決まった。

 芥川賞候補だったロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観(36)の「母影」、直木賞にノミネートされていたジャニーズ事務所に所属するアイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキ(33)の小説「オルタネート」は、ともに受賞を逃した。

 芥川賞とともに1935年(昭和10年)に創設された直木賞は、数ある文学賞の中で最も長い歴史と権威がある。これまで女優やミュージシャンらの作品が候補になったことはあるが、アイドルの作品がノミネートされたのは初めてだった。

 加藤の3年ぶりの小説となる受賞作は、架空のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代を舞台に、高校生の恋愛や葛藤を描く青春群像劇。現代の若者に身近な「アプリ」を舞台にみずみずしく青春を描き、高い評価を得ており、昨年11月19日の発売から2カ月足らずの今月5日に異例のスピードで発行部数10万部を突破した。

 ▽直木賞 大衆作家として昭和初期に活躍した直木三十五の業績を称えるため。新進、中堅作家によるエンターテインメント作品(短編集および長編)の単行本から選ぶ。人気作家の東野圭吾氏は05年「容疑者Xの献身」で受賞。6回目の挑戦にして悲願がかなった。芥川賞とともに年2回発表される。

 ◆加藤 シゲアキ(かとう・しげあき、本名・加藤成亮=しげあき)1987年(昭62)7月11日生まれ、大阪府出身の33歳。99年にジャニーズ事務所に入所。03年にNEWSのメンバーとしてデビュー。10年3月に青山学院大学法学部を卒業し、12年1月に「ピンクとグレー」で作家デビュー。来年日本テレビで放送予定の「二月の勝者―絶対合格の教室―」に出演予定。血液型A。

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2021年1月20日のニュース